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2018年10月31日水曜日

10/31 大豆を食べると腎臓が悪くなるって正しい?

医師はすべてのことを知っている気がします。ですが、医学部には栄養学の授業がないので、その知識の個体差はとても大きいと感じています。どう対処していいかわからないのが、一般国民です。


■80歳、腎臓の検査が高いのは大豆?
①クリニックの医師に言われたこと

ほぼ毎日ジム通いをし、水泳もする元気な80歳女性のこと。昨日医師から、「腎臓の数字がちょっと高いので、炒り大豆を止めるように。このまま食べると腎臓が悪くなるので」と言われたけど、ホント?と、水泳中に聞かれました。
ほんのわずかな時間の会話での、アセスメントとプランニングです。


②大豆を止める程、腎臓は悪いのでしょうか
次の手順で伺っていきました。
足立「尿蛋白は出ているって聞かれた?」
80歳女性「出てなかった」
なるほど、腎臓が悪いわけではないかも!

足立「尿素窒素というのと、クレアチニンって検査のいずれが高かった?」
80歳女性「たぶん尿素窒素が、少し基準を超しているって言われたけど」
足立「過去に腎臓が悪いって言われたことはある?」
80歳女性「ない」

確かに微量アルブミン尿を測定しないと、確定できないでしょうが、尿タンパクもでていないので、腎臓が悪い可能性は否定できないまでも、少ないと思います。
飲水制限をしてから検査するのが一般的ですから、脱水傾向かもしれません。


③大豆は腎臓が悪くなるほどとったのでしょうか?
足立「炒り大豆はどのくらい食べた?」
80歳女性「毎日30粒位」
足立「たぶん10~15gですから、たんぱく質3.5~5g程度。多くても卵1個弱ってとこね。腎臓がとても悪い人ならともかく、たんぱく質を制限しないといけないほどじゃないので、たべても大丈夫」


④1日のたんぱく質量はどの位?
1日のたんぱく質量を聞く目的で尋ねました。
足立「1日何食食べるの?」
80歳女性「2食」
なるほど、2食でたんぱく質とるのは大変。50g摂るのが精いっぱいかもしれません。間食でとらないと不足します。


⑤80歳は、たんぱく質減らす?増やす?
65歳以上は、たんぱく質は多めにして、フレイル予防をすることが大事です。厚労省の食事摂取基準2015年では、毎食25-30g、1日75g。高齢で腎臓が悪い人でも、極端に制限しないように書いてあります。

糖尿病性腎臓を危惧してきた、日本糖尿病学会ですら、2017年高齢の糖尿病患者は、サルコペニア、フレイルの予防のために、糖尿病があっても腎機能障害がなければ十分なたんぱく質を摂ること。たんぱく質量は、1日70g位を食べるように提言するようになりました。また、高齢者においては、高たんぱく食が腎機能悪化に及ぼす影響は明らかではないとまで、言い切っています。  

まして、80歳女性は、制限が必要な腎機能障害がありませんので、炒り大豆を食べても大丈夫です。


⑥炒り大豆を摂るようになったのは、なぜ?


時間がなかったので、なぜ大豆を摂るようになったか聞けていません。食事で大豆が取りにくいのでおやつで食べるとしたら、なかなか良い選択です。フレイルの予防のためにとっているよしたら、チーズや肉などの動物性たんぱく質の方がロイシンが多いので、お勧めです。


医師の食事アドバイスには、食事問診がないこと、たんぱく質摂取量が把握されていないこと、高齢者のフレイルに配慮していない気もします。色々なところで聞いて、自分で判断するしかないかも知れません。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

2018年10月30日火曜日

10/30 誰に任せる?母の経腸栄養管理

母が脳梗塞になって、早々経腸栄養を開始しました。その時
のことを、少し書いておこうと思います。


■母の脳梗塞は高血圧?夏風邪?
母が脳梗塞で倒れた頃は、身長140㎝、入院時体重38㎏(BMI 20.4㎏/㎡)、この数年の体重38㎏、80歳42㎏でした。高血圧、認知症がありましたが、デイケアに週3日、昼食を作るヘルパーさんが週2日、家族が土日自宅で一緒に過ごすなどのリズムでした。
転倒前は、独り住いで、他人の庭の草から花まで取っていましたが、良く動いていました。

9月初旬、夏風邪をひいて、微熱、食欲低下から、いつものデイケアの施設に預かってもらい、朝の歯磨きの最中に転倒したのです。


脳梗塞になった原因は何だったのでしょう?
よくあることです。熱があり、食欲がなければ、当然水分の取り方が減る、高齢で口渇感が少ない、認知症があるので意図的に水分はとらないなどが、推測できます。あげく、高血圧が引き金になります。

脳梗塞は、朝方発症すると言われるのは、寝ている間に水分をとらないことにより、朝方脱水で血栓ができる。しかも高血圧があると、リスクは大きくなります。脱水予防は、脳梗塞予防にもなります。夏風邪は、要注意です。
講演でよく話していたことでしたので、自分の親もそうなったかと、残念でした。今後もお世話になるので、何も言えません。



■母の経腸栄養は、胃婁でなく経鼻胃管
医師に「意識がないままかもしれません」と言われ、これを聞いた家族は、回復する可能性も否定できないと、解釈しました。家族って、数パーセントの回復の可能性でも、その何倍か良い方向に期待したくなるものです。そうなると、はっきりしない時期の栄養管理が、とても重要になります。

入院して早、1週間近く経過してしたので、早々に経腸栄養に切り替えて頂きました。当然聞かれます。「胃婁にしますか、経鼻胃管にしますか」。「経鼻にします」と、即答。


経鼻胃管にした理由は、
意識レベル、嚥下状況、余命など、確実なことが分からない時期ですし、家族の覚悟もできていませんので、胃婁は不要です。リハビリができることが予測された段階で再検討すれば良いと考えました。
経鼻胃管は脳梗塞のため、苦痛を感じにくいことと、経過観察中には最適です。



■初期経腸栄養管理で押さえておくこと

①チューブのサイズ
92歳、体格の小さい母です。いくら意識がないとはいえ、チューブサイズが、12フレンチのように太いものでは、経鼻や食道に接触し、苦しいでしょうし、誤嚥のリスクになります。ポンプがあった病院でしたから、8フレンチにしてもらいました。なかなかの病院です。


②入院当初の栄養量
緊急入院の初期は、血栓溶解の治療が行われていたことと、未来の余命が予測できないことから、末梢静脈栄養管理でした。投与量は、おそらく300-400kcal程度でした。この状態が長引くと、低栄養状態になり、意識レベルの改善を妨げます。


リフィーディング症候群の心配はあるか?
転倒する直前まで、普通の食事を食べていましたので、投与量が多すぎることによる代謝異常、リフィーディング症候群の心配はありません。

④入院時のエネルギーはどの体重で決める?
CZ-Hi アセプバッグ
余命があるかどうかも分からないこと、この数年の体重が38㎏でしたので、標準体重にする栄養量は必要ありません。まず、現体重を維持する栄養量、38㎏×30kcal=1140kcalで体重の増減、回復の兆しがあるかをみて、調整します。
よって、翌日から5日間位かけて、1200kcal(31.6kcal/㎏)投与を依頼。


⑤下痢、誤嚥のリスクになる投与速度とベッドアップ
消化管未使用期間が1週間でしたが、消化管疾患でもないので、投与速度は、1時間に50mⅬから始めてもらいました。早い時期に100mL、150mL、200mLまで上げ、5日後には400mlを2時間かけて投与が可能です。このステップで下痢がないので、まあまあ適正でした。

誤嚥予防は、経鼻チューブが8フレンチ、ベッドアップ30度と口腔ケア、ときにサクションをしていただいており、問題は生じませんでした。



■入居及び在宅時の栄養管理は誰がする
入院2か月過ぎたころ、病状に変化がないので、施設に入居することになり、終末は自宅で介護、平日は施設で預かることになりました。栄養剤の種類はラコールNFに変更。さて、この時、再度栄養管理の検討が必要になりました。

①経腸栄養量を減らす施設の提案は受け入れる?
施設側からは、「一般に高齢者の栄養量は600-800kcal」と、言われました。たぶん、意識レベルも回復しないまま、経腸栄養にて終末を迎える人をたくさん看取ってきたからかもしれません。

ですが、本当は違ったようです。1日3回投与をする看護師がいないためでした。



どうしたら良いと思いますか?

退院時の母の顔は、十分な栄養量が入ったため、実につやが良く、回復しそうな気すらしました。
まだ、諦められない時期でしたので、ラコールNF1200kcalにしてもらいました。たんぱく質は、入院時72gでしたが、52.5g(1.38g/㎏)入りますから、不足はありません。

施設の人と話し合って、1日2回投与にし、600kcalを3時間かけて注入してもらうことで、納得してもらいました。下痢、嘔吐、誤嚥がなければ、速度は200mLから300mLまで上げるなどを提案。

確かに、ラコールはCZ-Hiと異なり、食物繊維が入っていませんので、下痢のリスクはあります。


水分量?、水分は経腸栄養投与後に入れる?
入院中の水分量は、経腸栄養剤から960mL、追加300mL、フラッシング3回分で150mL、計1440mL(38mL/kg)。施設では、2回投与にするので、追加水分1回150mL×2回、フラッシングは薬物投与前後も含めて1回60mL×2回のすれば、1380mlと、入院中とほぼ同じにしました。尿路感染から発熱する頻度が高い母には、ギリギリ必要量です。増やせば施設の負担になりますので、あとは、発熱があったら、日中に200mL追加してもらうえるよう、依頼。

投与のタイミングです。経腸栄養投与直後では、胃内容物が増え、誤嚥のリスクになるので、開始前の投与に変更。


③チューブやシリンジは、水洗いでよい?
経鼻チューブやフラッシング、薬物溶解に使うシリンジの衛生管理は、在宅では水洗いでよいという指導を受けていました。ちょっとビックリ。ミルトンに浸けました。


④経腸栄養剤は温めない
一番の驚きは、冬の時期に「経腸栄養剤を温めてからにしてください」と、指導を受けたことです。室内は暖房が入っており、多少冷たくても、少しずつ食道を通過するうちに、体温と同じ程度に温まりますから、看護師さんに説明して中止。


⑤下痢になったら、アップルファイバー注入?
退院後、相当経ってから、下痢になったようです。「ラコールNFに食物繊維がないので下痢になった。他の人に効果があった」と、ケアマネさんがアップルファイバーを勧めたそうです。

退院早々から、同じ栄養剤であること、速度も300mlで問題がない時期でしたので、下痢は栄養剤の影響ではありません。確認した結果、薬物が変更されていました。意識レベルは改善しないと、断定されはじめた時期でしたので、薬物は最小限にしてもらい、下痢は解決。経験も大事ですが、原因の特定ができていなければ、改善はしません。


⑥褥瘡予防のために体圧分散マット導入
ディケアが目的の施設は、宿泊は一時預かりだけですから、体圧分散マットが入っていません。母は褥瘡のリスクは高いので、退院する前に在宅と施設側にリースの体圧分散マットを入れる手配をしました。


⑦褥瘡予防のために体位交換2時間は正しい?
体位交換は、普通のベッドの時代は2時間ごとと言われてきましたが、体圧分散マットでは、4時間毎でも大丈夫と、日本褥瘡学会が提言しています。でも、2時間ごとでした。

2時間ごとの問題は、意識のない母はわからないかもしれませんが、看護師、家族が寝られません。老々介護で疲れてしまう、要因の一つです。


私が入りたい施設は、ここ!。と、思うほど良い人ばかりでしたが、経腸栄養管理に関しては、十分掌握している人には出会いませんでした。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

2018年10月29日月曜日

10/29 日本酒は血糖値を上げない?

アルコールは、糖質を含むものは血糖値が上がるので、蒸留酒が良いと、思われていますが、日本酒が好きな人は、制限されて気の毒です。そこで、飲んで実験してみました。



■日本酒はそれほど血糖値が上がらない
日本酒は、糖質が多いので糖尿病のある人はダメ。ビールやワインはまだ少ないけど・・・、やっぱり焼酎かウイスキーにした方が良いです。など、思っていませんか?


食後血糖値が何らかの糖質を食べた時、140㎎/dL以上に上がった、酒豪の管理栄養士5名で飲んで、血糖値を測定しました。食事を食べないでひたすら飲んだのです。二度としません。悪酔いします。

結果、日本酒は、ビールより確かに30分後、60分後に上昇しますが、開始時の血糖値を揃えると、ほとんど日本酒とビールに差異がなくなります。赤ワインは、全く上昇しません。
何故でしょうか?糖質が多いはずなのに。



■チビチビ飲めば日本酒も大丈夫?


食品成分表分類では、100ml中の糖質が日本酒4.5gと、ビール3.1gより、多いので、血糖値が上がる気がします。しかし、食事は食べ方、飲み方で変わります。特にこの2種類は、飲むスピードが違います。チビチビ飲む日本酒は、糖質が多くても、一気飲みするビールより血糖の上がり方が早いので、ほぼ日本酒と同じ程度です。

赤ワインはゆるゆる飲むことと、糖質が少ないので上がりません。ちなみに、白ワインは赤ワインよりの見方が早い分、上がりやすいのです。



■ノンアルビールは血糖値が上がる


前述のメンバーとは異なる人で、血糖値が上昇しないように気を付けながら食事をしながら飲んだ時の結果です。飲料はビール、ノンアルコールビールやウーロン茶など、個々人が異なるものにしました。


一番血糖値が上がったのは、ノンアルコールビールを飲んだ人で、2時間後も上昇しました。原因を推測してみると、アルコール入りのビールは、酔いが回ると、徐々に量が減ってきます。ですが、普段飲む習慣のある人がノンアルコールビールにすると、酔わない分だけ、食事中ずっと飲み続けられる可能性があります。

ノンアルコールビールは、糖質の量が、ビールと同じくらいあることを知っておかないといけません。



■甘い食前酒は、飲むなら食後

糖質がとても多い食前酒や梅酒は、砂糖水を飲んでいるようなものです。飲むなら、食後です。すき焼きを食べたとき、梅酒を飲んだ人は、30分値が164㎎/dⅬまで上がってしまいました。


■なぜ、飲んだ後糖質が食べたくなる?
体内に吸収されたアルコールは、消化を受けることなく20%は胃から、残りの80%は小腸上部から吸収され、胃に比べて腸からの吸収が早く、飲酒1~2時間後にはほとんど吸収され、血糖値が空腹時と同じ程度までに下がります。

そのため、飲んだ帰り道や帰宅後にアイスクリームやラーメンなど炭水化物が欲しくなります。飲酒の最後のしめくくりに、お茶漬けやおにぎりなどを食べるのは、帰宅後に食べたくなるのを防ぐので、全部食べないまでも少し食べておくのが、懸命な方法と思います。


■食べながら飲むのが、必要な理由
空腹時に飲酒すると、アルコールは胃を素通りして小腸に流れ込むので、吸収が早くなり、濃度の濃い酒はより、加速します。
食事やつまみと一緒に飲酒すると、アルコ-ル中の糖質も、血糖値にそれほど影響しないと思われます。


最後まで読んで頂き、ありがとうごいます。

2018年10月28日日曜日

10/28 すき焼きは肉ファーストがお勧め?

外食をどのように食べたら、血糖定値が上がり難いか、の続きの話です。今回は、砂糖をたくさん使うすき焼きコース料理を食べながら、血糖値を測定してみました。


■実験対象者と方法
食後血糖が140㎎/dl以上になった糖尿病及び肥満のない管理栄養士6名、年齢 51.3±11.0歳、BMI 21.8±1.5kg/㎡、HbA1c 5.4±0.3%、空腹時血糖値84±35㎎/dLの人です。
すき焼きコース料理を2時間で食べ、30分ごとに2時間値までFreeStyleリブレ®(FGM)で間質液を測定。



■すきやきコース料理の内容
コース料理は、ロース肉、ねぎと白菜、生卵がお替り自由になっていました。


コース料理の内容です。

サラダ(キャベツ、レタスが中心、ドレッシング付き)
突出しの煮物(里芋2個、生麩1枚、砂糖入り)
すき焼き(牛ロース、豚ロース、白菜、ネギ、豆腐、椎茸、えのきだけ、水菜、マロニー、餅、砂糖入り割り下)
うどん
ゆずシャーベット
生卵自由

どの順番で、どのような食べ方をすれば良いでしょうか。



■食べ方の工夫と、根拠?
血糖値を上げやすいのは、砂糖、麺、芋などです。抑えるのは、食物繊維の多い緑黄色野菜やきのこ、たんぱく質源、アブラ、時間を掛けてたべることです。

①後半に食べた方が良いものを理解
里芋の煮つけ、マロニー、餅、うどん、ゆずシャーベットは、糖質中心の食品のため、これ以外のものが70%以上胃に入ってから、食べます。

②サラダが最優先で良いか?
砂糖の入っていないか、炭水化物が極めて少ないのは、サラダと卵しまありません。ですから、食物繊維があるなしに、関わらず、糖質がないという意味で、先に食べるのはサラダです。

③すき焼きは、野菜ファーストがダメ
すき焼きは、野菜より肉から食べました。理由は、この場合の野菜は、淡色野菜が多ので、食物繊維の効果が期待できません。そのうえ、砂糖、みりんが相当量使われた割り下を使いますので、野菜の煮物を食べているようなものですから、血糖値が上がると推測したからです。

その点、ロース肉は割り下を加えても、肉自体のたんぱく質と脂肪が血糖値の上昇を抑えます。ですから、すき焼きは、野菜ファーストは、砂糖ファーストでもありますので、肉から食べた方が良いのです。

④卵3個は、血糖値を抑制したか 
卵は、溶いて、すき焼きにつけながら食べました。理由は、砂糖で煮たような、すき焼きの肉や野菜を、卵のたんぱく質と脂質で幕を作るようにして、食べることで、上昇を抑えるためです。

⑤突出しの煮物は、最後まで残す

突出しには、砂糖を使った料理が出てくることが多々ありますが、最後まで残しておきます。当然、すき焼きの中にあるマロニーと餅も最後に食べました。



■すき焼きでも食べ方で血糖値を抑制

結果、血糖値は、ほとんど上がりませんでした。30分値の誤差が大きいのは、糖質の多い梅酒を飲んでしまったからです。



個々人の血糖値をみると、6名中5名は、糖質の無い飲料にしたので、60分値で最高122㎎/dLに留まりました。

測定し続けた数人は、その後の3時間くらいまで、ほとんど横ばい状態でした。

つまり、肉と卵3個は、消化に時間がかかったということです。この食べ方の欠点は、胃の調子が悪くなる、苦しい、食べ過ぎで寝付きにくいなどが考えられます。


後で考えると、卵は2個程度でよく、マロニー、餅、うどんは1/3以下でも良かった気がします。糖質を制限する目的ではなく、すき焼きを優先すると、食べきれないからです。それに、エネルギー調整もできます。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

2018年10月27日土曜日

10/27 お好み焼きで血糖値を上げない方法?

お好み焼き、もんじゃ、焼きそばなど、炭水化物ばかりの外食は、血糖値が上がりそうです。糖尿病患者さんには、禁じるのではなく、どのように食べたら上がり難いかをアドバイスできるために、専門店で血糖値を測定しながら、食べてみました。



■実験した人と方法
管理栄養士6名、年齢 53.4±8.5歳、BMI 21.7±1.5kg/㎡、HbA1c 5.5±0.2%、空腹時血糖値89±32㎎/dLの人です

実験4時間前から糖質のない水分以外の飲食は中止し、座位及び通常の歩行の状態で測定ています。食事直前を0時とし、30分ごとに最低2時間値までリブレで測定。喫食時間は120分以上。




■お好み焼き専門店のコース料理
粉ものばかりお好み焼き店のコース料理は、何が出てくるかわかりませんが、基本は「炭水化物後食べ」です。
検定は差異をスチューデントのt検定及びピアソンの相関係数を使用し、有意差を5%未満、相関係数を0.3をありとしました。



コース料理で出てきた順番です。
枝豆(図は3人分)
フライドポテト
野菜サラダ(キャベツが主体)
空揚げ1人1個
鉄板焼き(ホタテ1個、ウインナー1個)
お好み焼き
もんじゃ焼き
焼きそば
雪見大福


①どの順番で食べたら、血糖値が上がらない?


原則は炭水化物の多いものは、後食べ、たんぱく質・脂質・野菜は先食べです。
先に食べても良いのは、野菜サラダ、から揚げ、鉄板焼だけです。しかも、1人分の量が少ないので、後から食べる炭水化物の量が多く、上がりそうな気がします。
枝豆、フライドポテトは、炭水化物が多いので粉ものと同じ扱いです。


②粉ものは、もんじゃから食べたのは何故?
もんじゃは、粉の量が少ないこと、約時間がかかり、ゆっくり食べられるためです。
その点、お好み焼きと焼きそばは、早く焼け、1口の粉の量が多くなりますので、もんじゃの後に食べます。野菜は、ほとんどキャベツでした。


③マヨネーズ・オイル始まりたくさん摂る?
油は、糖質の吸収を抑えるので、まず、鉄板焼きに始まり、もんじゃ、焼きそばを焼くときは、オイルをしっかり敷き、お好み焼には、マヨネーズをたっぷりかけます。1人当たりのマヨネーズは、50g、オイルはおそらく30g位です。


④お好み焼きソースはわずかにする
ソース、ケチャップは、糖質が多いので、使っても少しにします。


■粉ものでも食べ方で血糖抑制できる
結果は、空腹時と比べて、どの時間もほとんど血糖値が上がりませんでした。驚きました。



何が、一番効果的だったでしょうか?
考えられるのは、食物繊維は少ないので、油が多い、時間を掛けて食べる、先に油のあるたんぱく質源を食べたことです。


時間を掛けて食べるのは、もんじゃまでで、お好み焼き、焼きそばは早食いしています。ということは、優先が油を多くしたことだと思います。次いで先に油のあるたんぱく質源を摂っていること、この2つの方法で、糖質の吸収を遅らせます。最後が、粉もののうちゆっくり食べられるものから食べたことです。どれか1つだけでも、血糖値は上昇したと思います。


■個々人の血糖値の変化でわかること
6名のうち血糖値が140㎎/dL7以上になったのは、1人です。お好み焼きを食べ始めたのが60分後くらいですから、その後上がったと思われます。120分値がピークになった人も、なじ傾向です。つまり、人によっては、粉ものは多すぎる、あるいは早食いすると、上がりやすいと、言うことです。


■胃もたれ感があり、残したかった
苦しいと思いながら、全員が残さず食べたため、食べ終わったときから翌朝まで胃もたれ感がありました。血糖を測定する目的がなければ、お好み焼き、焼きそばは、半分か、それ以上残した気がします。つまり、油を追加すると、食べきれません。
自然に食べれる分だけにしていたら、上がる人はいなかったかもしれません。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

2018年10月26日金曜日

10/26 病院の糖尿病食は血糖値を上げる?

病院の糖尿病食の問題点と食べ方による血糖抑制効果を提言するために、血糖測定の実験をしました。2017年臨床栄養学会連合大会で報告した内容です。


■病院の糖尿病食の課題
病院の糖尿病食は、カロリー中心であるため多くの問題を抱えています。脂質が抑えられていること、糖尿病学会のガイドライン、2015年食事摂取基準に提言している食物繊維量が入っていないこと、果物も推奨量に満たない、1日合計で3代栄養素バランスを調整しているため、1食毎でみると、炭水化物が異常に多い食事があり、偏りが大きいことなど、複数あります。

エネルギー制限食の利点は、過体重の人が減量できること、夕食過食であった人、食事が乱れていた人は、血糖が下がることなど考えられます。



■カロリー制限は血糖値が下がらない
【実験の目的】
糖尿病食は、米国では適正なエネルギー比率についての根拠が疑問視されているなか、日本糖尿病学会では炭水化物50-60%と規定しています。しかも、米国糖尿病学会は、砂糖や異性化糖の規制はしていますが、果物については繊維が多きことから、規制していません。2013年のガイドラインでは異性化糖とは異なり、果物はエネルギーの12%程度までとっても血糖値に影響しないとまで、言っています。

ですが、「カロリー制限」が主流の我が国では、特に果物摂取を制限する傾向にあります。なんでも制限する指導は、長続きしません。どのような工夫をしたら血糖値を上げないで食べることができるかが大事です。
そこで「引き算」ではなく、「足し算」で血糖コントロールを維持する食べ方を検討することを目的としました。

【対象者】
対象は、糖尿病歴のない女性・管理栄養士8名、 BMI25㎏/㎡以下(BMI 21.7±1.8 ㎏/㎡)、年齢30歳以上70歳未満( 52±11.1歳)、 HbA₁c 基準値内(5.4±0.4%)だが、食後血糖は140㎎/dl以上の過血糖傾向にある人です。


【実験方向】
コントロール群①は
各施設の1600kcalエネルギーコントロール食の1/3量を均等に20分かけて食べます。


対象群は
全対象群は、①のコントロール食を基本に、おかずを先食べして、食事開始15分後に主食(後食べ)、最後にキウイ1個を食べました。
②の対象群、後食べは、①+キウイ1個
③の対象群、後食べは、①+キウイ+オリーブ油15g
④の対象群、後食べは、①+キウイ+オリーブ油15g+食物繊維総量7g以上


調査方法は
血糖値は、自己測定器リブレフリーを使用し、空腹時が90-110㎎/dlを条件に、食後 4時間まで30分毎に測定。この間、運動以外の日常活動としました。

食事時間は全群20分-30分です。


解析内容と方法
1.血糖値の変化については、食後から食後4時間までの各0.5時間ごとの血糖値計測

2.栄養素及び食材ごとの摂取量の差
栄養素は、エネルギー、糖質、たんぱく質、脂質、食物繊維、食品は緑黄色野菜、淡色野菜、きのこ、果物を比較

3.血糖値の変動に関連する因子について
血糖変動の算出方法
 ①食後と血糖値のピークの差
 ②食後と血糖値のピークの差÷ピークの時間

4.統計解析 js-STAR(version 8.0.1)を使用


【結果】
1)病院の糖尿病食は血糖値を上げる
病院の糖尿病食(コントロール食)は、主食・主菜・副菜を均等食べをすると、血糖値が上昇することがわかりました。糖尿病の無い人でも、食事1時間後に有意に立ち上がりが早く、170㎎/dⅬと、高値でした。


2)炭水化物の後食べは、血糖抑制
対象群②の炭水化物後食べ、キウイ1個追加した例は、炭水化物量が増加したにもかかわらず、コントロール群より1.5時間値が有意に低値でした。


3)キウイ+後食べは、なだらかな上昇


対象群③も炭水化物後食べですが、キウイとオリーブ油15gを追加しました。③と食物繊維を追加した対象群④は、最高血糖値が142㎎/dⅬ程度に低く、①よりなだらかに下降し、血糖スパイク状態を抑制していることが分かります。

対象群③は、コントロール群に比べ、食後0.5時間、1.0時間、1.5時間値が有意に抑制されました。


4)対象群は脂質・繊維・ビタミン増
栄養素摂取量は、当然、コントロール食より対象群の方が多くなります。特にエネルギー、脂質、食物繊維は、①より②、③④と順次増えます。糖質は有意差がありませんでした。


コントロール群は、食事摂取基準2015を1/3にして、充足率を比較すると、カリウム、カルシウム、亜鉛、ビタミンB1、B2、食物繊維が不足でしたが、糖尿病食にキウイを追加した段階で、ほぼ充足されました。



■糖尿病患者の栄養指導はどうすべきか
①炭水化物「後食べ】を指導
均等食べは、非糖尿病・非肥満でも食後血糖が上昇する事実から、糖尿病の人は、より上昇することが明らかです。
現在の糖尿病食を変えるのは、困難なら、少なくともおかずに炭水化物が多く入っていないかを見直すことです。それも困難なら、おかずの炭水化物を含めて、炭水化物の後食べを入院中に説明するだけでも、効果的です。


②キウイの追加は、上昇を穏やかにする
エネルギーコントール食にキウイ、オリーブ油を足して食べたが、主食の後食べにより血糖スパイクが生じにくく、腹持ちが良く、栄養素不足が補給できます。

しかし、病院での果物の提供量は、50kcal相当量と少なく、糖尿病学会の推奨量80kcalにも達していないことが、別の調査でわかりました。経済的に少ないだけなら、退院時に修正すれば良いのです。制限が必要と思って退院させないことです。


繊維、脂質の「足し算食べ」
食物繊維、脂質の「足し算食べ」と炭水化物の「後食べ」を組み合わせることで、食後血糖の上昇が抑制され、血糖値スパイクが起こりにくくなります。入院中は、マイオリーブ油の勧めが、現実的かもしれません。繊維は、退院後に先食べで摂るように勧めましょう。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

2018年10月25日木曜日

10/25 血糖値を上げ難い寿司の食べ方

血糖値は、確かに炭水化物が多いと上昇しますので、ごはんとたんぱく質が一緒の寿司は、そのまま食べれば上がります。ですが、日本の伝統食の寿司シャリを大根にするなどの邪道は、論外です。当協会は、血糖値と食べ方の研究をしていますので、2018年の日本臨床栄養学会で報告した内容を書いてみます。前半は、足立個人のデーターです。


■寿司だけでは、血糖値が上がる


寿司は、血糖値が上がらないと書いた週刊誌もありますが、種々の条件により、上がりますし、上がり難いなど違います。


私は糖尿病ではありませんが、おにぎりだけ食べると食後血糖が180-190㎎/dlに上がります。15年ほど前から測定し始めて、食後過血糖があることが、わかりました。図は、足立個人のデーターです。

たんぱく質は食後血糖を抑制することがわかっているので、ご飯と一緒に食べる握り寿司と、おにぎりを比較してみました。
食後過血糖を抑える重要な条件の一つは、時間です。時間はおにぎりと寿司を共に、10分で食べました。

次の抑制要因は、脂肪が多いことです。そのため、脂肪の多そうなネタから食べましたが、スーパーの寿司には、それほど脂肪のある魚はありません。
これで、たんぱく質を一緒に食べれば、血糖値の上昇が抑えられるのかの、検証ができます。

結論は、たんぱく質が一緒の分、血糖値がおにぎりだけより遅れて上昇しました。多少抑制されるものの、170㎎/dⅬですから、抑制されたと言えるほどではありません。

寿司単独は、早食いするなら、ダメということになります。


■「まいたけ先食べ」したときの血糖値
食物繊維の多い野菜・きのこは、量を多く食べれば、食後血糖の上昇を抑えます。そこで、まいたけと寒天のスープを先に食べてからスーパーのお寿司を食べてみました。

スープがあった分、食事時間が20分ですが、寿司を食べる時間は10分程度にしています。


つまり、寿司だけの時と食べる時間は同じですから、繊維の多いまいたけの影響が分かります。
血糖値は、食べ始めが122㎎/dⅬと高めですが、ほぼ横ばいで、上昇しませんでした。

結論は、食物繊維の多いものを先に食べてから、炭水化物を食べれば、抑制されます。



■すし屋で血糖値を測定
ここからは、臨床栄養実践協会で検証したことです。

平均年齢51±14歳、糖尿病がない(HbA1c 5.5±0.3%)、肥満がない(BMI 21.7±2.0kg/㎡)が、食後血糖が140㎎/dl以上になったことがある管理栄養士12名で、血糖値を測定しました。



■脂ののった刺身の後に、握り寿司


たんぱく質と脂質は食後血糖を上げないので、握り寿司を食べる前に、脂ののった刺身を食べてから、寿司5貫(10個)食べました。別の機会には、てんぷらも食べてから、握り寿司にしました。


飲食にかかった時間は2時間です。問題は、先に刺身を食べたことが効果的だったか、時間を掛けたことが良かったかが、不明確です。


結果、脂肪の多い刺身を先に食べた場合は、60分値が128mg/dL、120分値 117mg/dLといずれも有意に上昇しましたが、わずかな上昇に留まりました。先に脂肪の多い刺身を食べたことが、効果的だったと思われます。

現実的には、スーパーの寿司を2時間かけて食べるのは、困難ですし、寿司店でも、2時間で寿司だけ5貫に、収まらないでしょう。空腹では早食いもなります。寿司店では、1貫ずつ注文して、できるのを待つなどが時間がかかり、さらに先に刺身を食べたことで早食いが防げ、時間を掛けられたと思います。

なお、寿司の前にてんぷらを食べた時も、同じ傾向でした。



■血糖値を上げにくい寿司の食べ方

①時間を掛ける
糖質の多い寿司は、時間をかけて食べ、先に炭水化物の少ない食物で(副交感神経由来の)インスリン分泌を十分に刺激することです。
つまり、寿司は血糖値を上げないと言われた方は、刺身を食べてから寿司を食べたか、専門店で握ってもらいながらゆっくり食べたか、だと推測できます。寿司折をみじかい時間で食べれば、上がります。


②先にたんぱく質と脂肪の多いものを食べる
後に炭水化物を摂ることは、先に摂取したたんぱく質や脂肪が炭水化物の胃排泄を遅らせるので、急激な血糖上昇を防ぐことができると考えられます。


③先に繊維の多い食品を食べる
食物繊維は、糖の吸収を遅らせるため、家食なら、先にまいたけや緑黄色野菜をたっぷり食べるようにします。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

2018年10月24日水曜日

10/24 運動後のプロティン補給は必要か?

運動したら、30分以内にたんぱく質を補う方が良いと聞きます。3食ではだめでしょうか?いろいろ調べて、考えてみました。

食品のたんぱく質はアミノ酸ではない
プロティンというと、天然素材のたんぱく質から合成で作ったプロテインパウダーからありますが、一般には後者を言います。

プロテインとの大きな違いを考えてみます。食事のたんぱく質源は、アミノ酸の多少はあっても、たいてい身体のたんぱく質合成に必要な20種類のアミノ酸を含みます。

その良否の程度問題を現したのが、アミノ酸スコアです。卵、牛乳、牛肉、豚肉、鶏肉、魚は、人が生きるのに不足するアミノ酸の種類がないことを意味します。不足するアミノ酸があるものには、第一制限アミノ酸の種類が記されています。

パスタにはたんぱく一杯
のサラダを付ける
もう一つは、吸収される最終単位がアミノ酸ですが、食品はタンパク質ですから、消化されないと吸収できません。つまり、食品そのものの消化吸収率、個人の消化吸収能力、一緒に食べる食品の君あわせなどにより変ります。こんなことを個々人で測ることはできません。

ですから、「主食・主菜・副菜」が揃った食事をして、一般的なたんぱく質の必要量を補うことが優先されるのです。



■プロティンに含まれるアミノ酸
プロテインと言われる合成食品は、アミノ酸の一部を強化したものがほとんどです。特に分岐鎖アミノ酸(BCAA)、バリン、ロイシン、イソロイシンを使ったものが多く発売されています。その比率は、1:2: 1と、ロイシン含量が高いのが主流です。静脈栄養剤も創の修復を良くするのに、ロイシンが多いので、納得です。


その理由は、
BCAAは、タンパク質やグルコースの代謝を調整すること、骨格筋のタンパク質合成を強く促進することなどが知られています。特にロイシンは、タンパク質の合成を促進する一方、分解を抑制するため、多く入っています。高齢者においても、投与すると下肢筋肉と歩行速度に改善が見られた、との報告が厚生労働省に資料もあります。


でも、ロイシンだけで良いわけではなく、他のアミノ酸も必要です。比率がどの位が良いかも、まだ結論が出ていない気がします。ですから、食品からのたんぱく質は必要量摂取を基本にして、プロテインを補給していれば、安心です。



筋肉強化に必要なたんぱく質量
筋力トレーニングと組合せて摂取するたんぱく質が、筋肉量や強度の向上に影響するかの論文があります。カナダにあるマックマスター大学からのレビュー論文によれば、レジスタンス運動には、骨格筋を肥大させるために筋肉タンパク質合成を刺激するロイシンの補給が重要であり、乳清(ホエイ)タンパクに多く含まれます。

運動をするときのたんぱく質は、高齢者は若年者より、ボディビルダーは長距離ランナーより、多く必要です。
追加する量は、前回にも記しましたが、ボディビルダーを対象とした場合、2015年トロント大学のMooreらの検証では、22歳の若年者は0.24g/kg、高齢者は0.40g/kgが必要であるとしています。


簡単なダンベルトレーニング程度は、プラス10〜20g。筋トレに励む20代、体重70kgの男性は、1食17〜20g程度で、普通量で足ります。
全身性のトレーニングをした場合は、24〜48時間後までは、普通量に1食に10g追加して30g以上。
筋トレも、始めたばかりは、1.5-1.7g/㎏が、維持期には1.2-1.4g/㎏と少なくても良く、筋肉増強期は1.6-1.7g/㎏と言われています。


2016年にNutrition の声明は、アスリートや運動習慣のある人は、1.2~2.0g/㎏のたんぱく質が必要と言われています。しかし、一般人は、ムキムキでない限り、ここまで不要です。



■運動30分後のたんぱく質補給は不要
運動30分以内に、たんぱく質を補給するのが良いと、ずっと思っていました。ですが、1日のなかで必要量を摂れば大丈夫、という論文もでてきました。
運動終了後、最大24時間にて筋たんぱく質の合成が活発に行われるのは、運動後30分以内にとった方が良いとの、根拠にはなりません。


ragonらとSchoenfeldらは、トレーニング後が前よりも筋肥大に与える効果は高いが、効果は最小。24時間に適切なたんぱく質をしっかりと摂れば大丈夫というものです。
しかし、ジムに4-5時間もいる人は、通常の食事時間が適切にとれず、必要なたんぱく質を摂取するのが困難なことが推測されます。そのためトレーニング中や直後の摂取が補給しやすいなどの人は、運動30分以内でなくても、1日に十分量とっても同じことですし、確実に補給できます。



■運動で消費されるエネルギーは少ない
運動しても、太る。プロテインを摂ったら太るというのは、運動による消費エネルギーを過大評価していることが多い気がします。
体重60kgの人を想定してみます。ジムなどで器具を使う筋トレは、30分で210kcal、おにぎり1個程度、消費されます。
ウォーキングは、1時間で126kcal、30分のヨガは80kcalと、意外と少ないのです。


400kcal以上消耗したら、たんぱく質を補給するのがいいとも言われます。と、いうことは、クロールを1時間したら追加したほうが良いが、ウオーキング2時間は、追加が要らないということです。


■体重増を好まない人は、プロティン
食品でたんぱく質補給するときは、たいていエネルギーも増えます。たんぱく質を卵で摂った場合、1個で6gですが、80kcalあり、20g摂ると266kcalになります。その点、プロテインは20gで100-120kcalとエネルギーが半分弱です。そう考えると、ダイエットしながらたんぱく質を増やしたいときは、普通量は食品でとり、エネルギー源を減らしながら、プロティンを追加すれば良いことになります。



最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

2018年10月23日火曜日

10/23 孫と子供が一緒に生まれた60歳の弟


電車の中で出会った男性を見て、定年1年前のころ、子供を作る覚悟をした弟を思い出していました。


■子供を作る覚悟
皆がうとうとしている朝の時間帯、青年が大きな声で「東京駅は、皆降りないといけません」???。終点は高崎でした。そういえば、弟が60歳少し前に子供を作ると決めたときの覚悟を思い出していました。どんなでも、育てる覚悟です。

出産は、子供の安全が保障されず、大変でした。羊水がなくなり、頭が半分出ている状態で帝王切開もできず、とんでもない大手術でした。母親がよく耐えました。当然多少の問題があったのですが、普通の新生児でした。

覚悟は、妊娠前、出産前にしていましたが、これからは育てること、教育すること、それだけでなく、親が長生きすることなど、次から次へと出てきます。子供が20歳のとき、80歳です。まず、自分の健康寿命管理は、大丈夫だろうかと、ときどき心配になります。



■子供と孫が同じ時期に出来た60歳
1か月

彼は、子供と孫が1週間も違わない時期にできました。普通孫を猫可愛がる祖父なのですが、どうも違うようです。孫より子供です。




3か月


4か月
成人した子供が2人いても、必死に働いていた時期でしょうか、どのように育てたかなど覚えていないようです。孫を可愛がる、超ゆとりの年代になって出来た子供は、孫以上です。まるで、母親です。離乳食を考え、遊び道具を考え、60歳の部屋は保育園のようになりました。離乳食は、私のアドバイスを守れば、大丈夫のはずです。

孫には歯が4本。子供は2本。孫はすごい量を食べるので、体格が立派。子供はそこまで食べないので、平均的。ついつい比べています。

4か月


■夢と妄想をいだかせる子供  
5か月

弟を見ていると、子供は親に夢や妄想をくれるから、無償の愛を注げるかもしれないと思えてきます。

天才かもしれない、将来は、政治家?医師?弁護士?いやいやオリンピックに出る?芸能人?芸術家?発明家?。何でも出来そうな気がするものです。なんの根拠もないのに、です。
6か月

母の葬儀の時、和尚さんがもくぎょうを叩くと、母親の膝の上でダンスを始めたこと、自分のギターを鳴らしたこと、おもちゃのドラムを叩いたこと。子供は音がするのが好きだけかもしれませんが、親は思います。音楽家のセンスがあるかもと・・・。「託児所の人が頭いいと、言ったの」お世辞かもしれません。

9か月

天才、レオナルド・ダ・ヴィインチになる気がする? この妄想は、子育ての醍醐味なんでしょうね。楽しそうです。

自分のことを思い出してみると、少し絵
が好き程度で、絵描き?。小さな学校の作文コンクールで優勝すると、とんでなく大きな夢を持ち始めました。父親です。
10か月

自分の実力と親の夢にギャップがあり過ぎましたが、ちょっと勉強する気になったので、それほど苦痛はなかった気がします。




11か月








■可愛い時期より、反抗期の覚悟 
1年

70歳になる私は、1日1日歳をとっているのに、大きな変化を感じとれません。ですが、子供は違います。12か月を過ぎると、離乳食も食事も嫌なものは吐出します。少し歩けるようになったら、転んでも、泣いても一人で歩きたがるようです。意思が出てきました。

14か月
15か月

さて、これからが、次の段階に向けての親の覚悟です。

話せない時期から、いろいろなことを感じ取ります。性格が良いのが一番ですが、もう少し、期待するのは、将来、楽しいと思えることをしながら、生きてくれるための準備です。

教育がいります。向いているものを見つける観察と、その機会を作ることです。時期は、今です。
可愛い時期から、すぐに反抗期が来ます。覚悟はできたでしょうか。



子供への妄想や夢は、成人するにつれ薄らぐでしょうが、それまでは、定年後の弟を生き生き、させています。こうした感情の実感がない姉ですが、人生いろいろです。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

2018年10月22日月曜日

10/22 プロティンは肥満・脂肪肝の原因になるか

ささみやプロテインが大好きな、スポーツおたくの男性??の栄養指導です。ファジーな情報から原因を絞り込み、対策を考えるために、書いてみます。


プロテインパウダーで脂肪肝?
50歳男性は、脂肪肝を指摘され、栄養指導を受けました。体重は増やしたくないが、やや増加し、75㎏、BMI 27位の過体重。食事の朝昼は、前から同じ。

夕食は19時頃に、ごはん250g、野菜、脂肪の少ないささみを中心としたたんぱく質源を摂取。その後自宅でダンベルなどのトレーニングをしたのち、プロティンパウダー30g摂取して就寝。他に朝にもプロティンパウダー10g摂取。薬物の服用はないが、サプリメントは青汁とビタミン剤らしい。
なぜ、脂肪肝になったのでしょう?



■脂肪肝の原因を考えてみましょう

①消費より摂取エネルギーが増加
今までと、違ったことはあるかを聞くことです。特に体重増は、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ったことになります。脂肪肝は、夕食の食べ過ぎが問題になりますので、夕食のエネルギーが増えたかを聞きます。


この場合、プロテインパウダーと青汁が増えただけのようですね。
脂肪肝になるエネルギーでしょうか?


②プロティンのカロリーは無視した?
プロテインは、パウダーからゼリー飲料まであり、成分、エネルギーも様々です。



たんぱく質20g当たりで100-120kcalですが、たんぱく質によるエネルギー量が主体のものもあれば、炭水化物が適度に入っている種類もあります。

トレーニングでは糖質をエネルギー源としてを使いますから、糖質を摂っていないと、運動で体内のグリコーゲンが使われて、減ってきます。すると、筋肉を増やす目的のたんぱく質は、十分筋肉を合成するのに使われなくなるからです。

プロティンパウダーには、糖質が含まれているのは、当然です。


エネルギー源以外の栄養素も、商品により様々です。コツ代謝に必要なカルシウム、ビタミンD、ビタミンKがセットで入っているもの、エネルギー代謝に必要なビタミンB群、鉄や葉酸を補うことができるものなど、あります。
確認することですね。



③食事にプロティンプラスは肥満
患者の体重増は、もともと脂肪の少ないささみなどの、たんぱく質源を気にして食べていましたので、添加脂肪も少ないことが推測できます。ですが、運動量が増えていないので、プロティン40g追加すれば、200~240kcal増になりますから、その分のエネルギーが過剰摂取となります。

プロテインは、比較的、エネルギーも糖質も少ない種類が多いので、体重減か現状維持をしながらたんぱく質補給をしたいときには、とても役立ちます。

主原因は、プロテインではなく、食事で調整しなかったことが問題です。


④就寝前のプロテインが脂肪肝?
プロテインそのものが脂肪肝をもたらすことはありません。この男性は、食事量を変えていないので、プロテインパウダー追加分のエネルギーが体重増をもたらしました。しかも、総じて夕食が多くなったことが、脂肪肝になったと、考えられます。


就寝前に飲んだことが悪かったでしょうか?
就寝中は、成長ホルモンが活発化し、最も筋肉の成長が促進すると、言われています。そのため、糖質が少なく、食後過血糖が生じにくい種類は、就寝前に摂取しても、問題はありません。

就寝時にプロテイン30gは、適量だったでしょうか?


運動後のたんぱく補給量はどの位?
運動量によっては、たんぱく質は体重1㎏あたり1.0gの普通量を摂っていれば大丈夫です。70㎏の男性なら1日70gです。1時間のウーキングでは、たんぱく質の補給は不要です。


運動30分後にたんぱく質補給?
2002年、Lemon PWらが、 筋タンパク質の合成感度は、トレーニング後30分から上昇し始め、1〜2時間でピークを迎えるので、たんぱく質は、この時間帯に摂取すると、筋肥大に効果的であると報告したことが、信じられています。


補給したとして、どの位必要でしょうか?
2014年スターリング大学のWitardらは、ウエイトトレーニングをした男性に、トレーニング後の筋タンパク質の合成には、たんぱく質20g必要と報告しています(Witard OC, 2014)。

2015年Mooreらは、たんぱく質摂取による筋タンパク質の合成率を検証した結果、若年者は0.24g/kg、高齢者は0.40g/kgが必要であると、明らかにしました(Moore DR, 2015)。

レッグプレスのみといった単一的なトレーニング後は、年齢や体重に応じた一般的な摂取量。全身的なトレーニング後はプラス10〜20gを摂取すると良い、と言います。

50歳の男性患者の場合は、如何でしょうか?
レッグプレスだけなら、食事だけで十分です。自宅での筋トレですから、ダンベル程度かも知れません。全身のトレーニングとしても、10-20gの追加で十二分でしょうか。30gは不要です。
プロテイン愛好者はいますので、否定するのは難しいです。

まずごはんを250gから200gに減らすと、プロティン20g相当量のエネルギーが減るので、体重調整はできます。


⑤青汁の糖質が影響?
患者は、薬物の服用はないので、青汁の内容の確認が必要です。管理栄養士さんは「これは問題ないです」と話した後に、心配になって、私に質問されたのですから、なかなかです。

こうした場合は、実際に飲んでいる青汁を持ってきてもらうか、商品名が分かればネットで検索して、内容に糖質がないか、エネルギーはどの位かを調べます。次回の来院時があれば1か月ほど中止してもらい、検査結果を確認します。


青汁、調べてみました。
エネルギーは、1袋7-27kcalで、1日3袋を水のように飲んでいる人は21-81kcalになります。
青の原料は、一般に大麦若葉、ケール粉末が多く、桑の葉、明日葉、クマザサ、クロレラ末などです。なかには、国産発酵雑穀粉末(丸麦、押し麦、もち玄米など)の次に青汁の原料が記載されているのに、青汁と表記できています。


もっとも、気になるのは
飲みやすくするために、砂糖、オリゴ糖、水飴、麦芽糖、黒糖、でん粉、はちみつ粉末など、エネルギーを発する糖質が含まれていることです。食物繊維が入っているものなら27kcalでも、血糖値は上がりませんし、夜飲んでも大丈夫でしょう。問題は、就寝前にプロティンと併せて摂ると、エネルギー過剰になります。

脂肪肝の主原因ではないものの、否定できない要因の1つにはなります。



2018年10月21日日曜日

10/21 食事全量摂取に経腸栄養追加の是非

回復リハ病院でのことです。栄養量は適正かどうかを考えてみましょう。


■リハビリ患者の栄養は正しい?
70歳代女性は、食事を全量食べているが、経腸栄養エレンタールが処方され、2300kcalになったそうです。新入職の医師は「体重と筋肉を増やさないと、歩けないから」と、ほとんどの患者に経鼻胃管でエレンタール(成分栄養剤)を投与しているとのことです。



体重やその変化、年齢は不明ですが、この少ない情報から適正栄養量について、検討してみました。


①回復リハ病院の常食は不適量か
一般にリハ病院でも通常病院でも医療監査があるので、加重平均必要量で縛られた食事になります。ですから、1600-1700kcal、たんぱく質60gが上限でしょうか?。平均体重50㎏でみると体重1㎏あたり32-34kcal、たんぱく質1.2gですから、足りていると思うのが一般的です。

「体重が増えない」事実は、病院食では足りないと言うことです。よって、食事は不足です。
では、どの位とれば、筋肉が増えるのでしょうか?


②2300kcal補給の害はあるか

高齢者のエネルギー必要量には個体差が大きいことが、知られています。おそらく、平常時体重より減ったと考えられますので、体重が増えるだけのエネルギー補給が必要ですが、予測は難しいので、結果を見るしかありません。
その際の考え方は、いくつかあります。
体重は、現在の1600kcalに1日300kcal追加で、月1㎏増加するはずです。早く増やしたい場合は、600kcal増でも大丈夫。2300kcalによる弊害として推測できるのは、食後過血糖、糖尿病に至る、吐き気や下痢などの消化器症状が生じるなどですから、観察しながら調整します。

体重は、筋肉とは違い、エネルギーを増やせば増えます。


③たんぱく質を摂れば、筋肉は増えるか
60歳を過ぎると、たんぱく質は、合成より分解力が大きくなるので、フレイル予防には1食25-30g、1日75gの摂取を進めているのが食事摂取基準です。しかも、動物たんぱく質は、植物たんぱく質より筋肉を作る分岐鎖アミノ酸が多く、特にロイシンが多いので、意図的に摂るのが良いと思います。

多く摂ったときの問題は、
通常体重×2gと言われていますが、それ以上とっても、エネルギーに使われるだけで、腎機能障害がなければ過剰症にはならないようです。

この症例のたんぱく質は、食事とエレンタールの合計が86g程度です。筋肉は、高齢になると簡単には増えませんが、リハビリをしていますので、たんぱく質86gでも問題ない量と思われます。

アスリートの場合、運動後に補給するたんぱく質は、体重1㎏あたり0.3gと、言いますから、体重50㎏とすると15g増やすことになります。この理論では、目標量50g+15g=65gです。結論は、どの位がいいか、細かいことはわかりません。腎機能障害がなければフレイル予防の75gとっても弊害はなさそうです。


④エレンタールが良い理由はあるか
エレンタールは、80gを300mLに溶かすと、1kcal/mL、アミノ酸13.14g、Ⅼロイシンは1798㎎と相当とれます。おそらく、総エネルギーから食事分を差し引くと600kcal、アミノ酸26.28gが鼻腔胃管から投与されていたことになります。
消化をほとんど必要としない低残渣性・低脂肪で、吸収がよい成分栄養剤ですから、半消化態栄養剤より、食事への影響が少ないかも知れません。

食事をしているので速度は100mL/時間とすると、投与に6時間かかります。食事量が減るのは、本末転倒ですから、日中と、就寝前の2回にして入れればトラブルなく入ります。
問題は
脂質が少ないので、食後血糖が上がりやすいことですが、体重と筋肉増が優先です。食事が食べられる人ですから、投与時間だけ気を付ければ半消化態栄養剤でも問題がないと思えます。
あとは、食事が出ている人に経腸栄養剤は保険では認められなかったと思いますので、病院の負担が増えるかもしれません。


⑤2300kcalが適量であるかの評価
エレンタールの影響で食事量が減っていないか、体重増があるかが、大事なアウトカム評価です。


⑥食事で2300kcalまで補給する方法
70歳代は、後期高齢者ではないことと、リハビリをすると多少、食欲も出てきます。


量を増やさずエネルギーとたんぱく質を摂る方法です。

MCTをご飯に10g×3回混ぜる⇒270kcal(一番お勧め)
あるはメモリオン(MCT)6g×2袋⇒100kcal
炒め物やサラダにオリーブ油6g×2回を追加⇒100kcal
カロリーメイト200ml =200Kcal、たんぱく質8.8g
卵2個追加⇒160kcal、たんぱく質12g
ゆで卵にマヨネーズを混ぜる
市販のザバス200ml⇒100kcal、たんぱく質15g
ギリシャヨーグルト100g⇒100kcal、たんぱく質10g
他にミルミルもあります


以上のような方法を活用すれば、手間暇なく、経済的にも大きな負担なく増やすことができます。
食事で調整が難しい場合は、経腸栄養の飲用か経鼻胃管は見事な栄養管理です。

本人が購入可能な場合は、他にもあります。なんでも病院で提供することは、経済的に困難なことがあります。その場合は、相手の経済力を考えながら、補給方法を教えるのが、大事だと思います。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。