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2018年10月21日日曜日

10/21 食事全量摂取に経腸栄養追加の是非

回復リハ病院でのことです。栄養量は適正かどうかを考えてみましょう。


■リハビリ患者の栄養は正しい?
70歳代女性は、食事を全量食べているが、経腸栄養エレンタールが処方され、2300kcalになったそうです。新入職の医師は「体重と筋肉を増やさないと、歩けないから」と、ほとんどの患者に経鼻胃管でエレンタール(成分栄養剤)を投与しているとのことです。



体重やその変化、年齢は不明ですが、この少ない情報から適正栄養量について、検討してみました。


①回復リハ病院の常食は不適量か
一般にリハ病院でも通常病院でも医療監査があるので、加重平均必要量で縛られた食事になります。ですから、1600-1700kcal、たんぱく質60gが上限でしょうか?。平均体重50㎏でみると体重1㎏あたり32-34kcal、たんぱく質1.2gですから、足りていると思うのが一般的です。

「体重が増えない」事実は、病院食では足りないと言うことです。よって、食事は不足です。
では、どの位とれば、筋肉が増えるのでしょうか?


②2300kcal補給の害はあるか

高齢者のエネルギー必要量には個体差が大きいことが、知られています。おそらく、平常時体重より減ったと考えられますので、体重が増えるだけのエネルギー補給が必要ですが、予測は難しいので、結果を見るしかありません。
その際の考え方は、いくつかあります。
体重は、現在の1600kcalに1日300kcal追加で、月1㎏増加するはずです。早く増やしたい場合は、600kcal増でも大丈夫。2300kcalによる弊害として推測できるのは、食後過血糖、糖尿病に至る、吐き気や下痢などの消化器症状が生じるなどですから、観察しながら調整します。

体重は、筋肉とは違い、エネルギーを増やせば増えます。


③たんぱく質を摂れば、筋肉は増えるか
60歳を過ぎると、たんぱく質は、合成より分解力が大きくなるので、フレイル予防には1食25-30g、1日75gの摂取を進めているのが食事摂取基準です。しかも、動物たんぱく質は、植物たんぱく質より筋肉を作る分岐鎖アミノ酸が多く、特にロイシンが多いので、意図的に摂るのが良いと思います。

多く摂ったときの問題は、
通常体重×2gと言われていますが、それ以上とっても、エネルギーに使われるだけで、腎機能障害がなければ過剰症にはならないようです。

この症例のたんぱく質は、食事とエレンタールの合計が86g程度です。筋肉は、高齢になると簡単には増えませんが、リハビリをしていますので、たんぱく質86gでも問題ない量と思われます。

アスリートの場合、運動後に補給するたんぱく質は、体重1㎏あたり0.3gと、言いますから、体重50㎏とすると15g増やすことになります。この理論では、目標量50g+15g=65gです。結論は、どの位がいいか、細かいことはわかりません。腎機能障害がなければフレイル予防の75gとっても弊害はなさそうです。


④エレンタールが良い理由はあるか
エレンタールは、80gを300mLに溶かすと、1kcal/mL、アミノ酸13.14g、Ⅼロイシンは1798㎎と相当とれます。おそらく、総エネルギーから食事分を差し引くと600kcal、アミノ酸26.28gが鼻腔胃管から投与されていたことになります。
消化をほとんど必要としない低残渣性・低脂肪で、吸収がよい成分栄養剤ですから、半消化態栄養剤より、食事への影響が少ないかも知れません。

食事をしているので速度は100mL/時間とすると、投与に6時間かかります。食事量が減るのは、本末転倒ですから、日中と、就寝前の2回にして入れればトラブルなく入ります。
問題は
脂質が少ないので、食後血糖が上がりやすいことですが、体重と筋肉増が優先です。食事が食べられる人ですから、投与時間だけ気を付ければ半消化態栄養剤でも問題がないと思えます。
あとは、食事が出ている人に経腸栄養剤は保険では認められなかったと思いますので、病院の負担が増えるかもしれません。


⑤2300kcalが適量であるかの評価
エレンタールの影響で食事量が減っていないか、体重増があるかが、大事なアウトカム評価です。


⑥食事で2300kcalまで補給する方法
70歳代は、後期高齢者ではないことと、リハビリをすると多少、食欲も出てきます。


量を増やさずエネルギーとたんぱく質を摂る方法です。

MCTをご飯に10g×3回混ぜる⇒270kcal(一番お勧め)
あるはメモリオン(MCT)6g×2袋⇒100kcal
炒め物やサラダにオリーブ油6g×2回を追加⇒100kcal
カロリーメイト200ml =200Kcal、たんぱく質8.8g
卵2個追加⇒160kcal、たんぱく質12g
ゆで卵にマヨネーズを混ぜる
市販のザバス200ml⇒100kcal、たんぱく質15g
ギリシャヨーグルト100g⇒100kcal、たんぱく質10g
他にミルミルもあります


以上のような方法を活用すれば、手間暇なく、経済的にも大きな負担なく増やすことができます。
食事で調整が難しい場合は、経腸栄養の飲用か経鼻胃管は見事な栄養管理です。

本人が購入可能な場合は、他にもあります。なんでも病院で提供することは、経済的に困難なことがあります。その場合は、相手の経済力を考えながら、補給方法を教えるのが、大事だと思います。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

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