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2018年11月30日金曜日

11/30 施設の栄養補助食品の選択とは

栄養補助食品は、あり過ぎて選ぶのが大変です。どのようにされていますか?。企業の説明だけですか、流行り物ですか?。私の考え方を書いてみます。


■病院と施設では、目的が違う
病院、施設で栄養補助食品を使う場合は、若干の違いがあります。
病院は、治療を目的とすることにより、栄養素の過不足を調整するために選ぶことが多く、施設は、高齢者が多いため、主に低栄養と提供する食事が軟菜・ミキサー食などによる不足栄養素を補給にあるかと思います。


■施設では、単体の栄養素より総合力
施設の食事は、少量で高エネルギー・高たんぱく質、ビタミン、ミネラルまで総合的に不足します。固い、骨がある、咀嚼や嚥下が難しい人が総じて多いのが特徴です。すると、咀嚼レベルが低い人に焦点を当てた食材、調理法になるのが、一般的です。

当然、かさを増やさず高エネルギーにするには、オイルと脂肪の多い魚・肉の利用が望ましいのですが、献立修正は、調理員の人数、スキルなどが未熟だと容易に解決できません。

ソフト食、ミキサー食は、水気が増え、かさが増えるため、結果、必要な栄養素量の摂取が限界です。

まず、治療上どの栄養素が不足するので、補給するというのではなく、「高エネルギー・高たんぱく質・ビタミン・ミネラル」がバランスよく含むものが、優先となります。


例題から考えてみます
①45kcal、たんぱく質0g、食物繊維7g
②100kcal、たんぱく質4g、全ビタミンとミネラルが含有
③100kcal、たんぱく質5g、一部ビタミン・ミネラル不足
④80kcal、たんぱく質6g、亜鉛・鉄分強化

上記のなかで、1つしか選択出来ないときは、②です。
理由は、①を全入居者に提供するのは論外です。便秘は、水分摂取量が増えないと解決しませんので、優先は食物繊維ではありません。予算があれば、これを全入居者に出すのはヘンです。

③は、たんぱく質が多いものの、ビタミン・ミネラル補給に、別の栄養補助食品が必要になります。

④は、たんぱく質が多いのが魅力ですが、高齢者が不足するのは、亜鉛・鉄だけではなく、全栄養素が足りません。

②は、たんぱく質こそ③④より、少なめですが、高齢者に不足しやすい栄養素がマルチで補給できます。


■高エネルギー・高たんぱくが優先
栄養補助食品として、MCTやたんぱく質パウダーが流行していますが、意義ある流行です。高齢者だけでなく、少量で高カロリーを補給したい場合には、必須です。
ゼリーや飲料になっているものもありますが、ごはん・味噌汁・おかずに混ぜることができる栄養補助食品は、飽きないため大事な補助食品です。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

2018年11月29日木曜日

11/29 懐石弁当は、ご飯後食べでも血糖値上昇


会議の時にでる、少し高級な懐石弁当を食べたときの、血糖値の推移です。


■懐石弁当は、血糖値が上がる?
会議やランチョンセミナーなどで出される、少し高級な和食懐石弁当を、おかずから食べた時の血糖値です。時間は、20分、食べた順番は下記です。(写真はダミーです)

刺身(まぐろ赤身とひらめ)
西京焼き
なます、白和え、酢れんこん
てんぷら(ピーマン、かぼちゃ、キス、えび)
煮物(大根、栗、京菜、生麩)
だし巻き卵
栗ご飯60g(1/3人前)

結論は、糖尿病がない私ですが、食事1.0時間後の血糖値が185㎎/dLにまで上がり、2時間後151㎎/dLですから、糖尿病境界域になってしまいました。この日は、勉強していたので、全く動かず座ったままでし
た。

なぜ、おかずから食べたのに血糖値が上昇したのでしょう?。


■血糖値が上昇した原因?
原因として考えられることは、食べる時間が早い、動かない、糖質が多い、食物繊維が少ない、油が少ないことです。

①食べる時間が短い
20分なら、まあまあですので、問題はありません。

②動かない
確かに、動かないのでエネルギー消費がなく、2.5時間後も162㎎/dLと高いままでした。しかし、「炭水化物後食べ、おかず先食べ」にすれば、コンピューターの前での座業でも上がらないことを実験してあります。よって、一番の原因ではありません。

③糖質が多い
おかずの糖質を考えてみます。
なます、白和え、西京焼き、酢れんこん、煮物(大根、栗、京菜、生麩)、だし巻き卵と、どれにも少しずつ砂糖やみりんが使われており、てんぷら(かぼちゃ)と糖質の多い野菜と粉です。揚げ句、1/3人前にしましたが栗ご飯。糖質の無いのは、刺身だけでした。

和食弁当は、砂糖を多用したおかずを先に食べても、炭水化物後食べにはできないので、血糖値は上がるということです。

④食物繊維が少ない
野菜が食物繊維があるとは限りません。かろうじての野菜は、なます、ピーマン、れんこん、かぼちゃ、大根、京菜ですが、お弁当ですから合計50g程度と、わずかです。しかもれんこん、かぼちゃは糖質が多く、最も多い大根では食物繊維はとれません。

⑤油脂が少ない
油脂は、食後血糖を抑える働きがありますので、糖質量以上の量があれば、血糖値の上昇を抑制します。ですが、油があるのは、てんぷらですが、上がり難いのはキスと、えび、ピーマンだけ、刺身(まぐろ赤身とひらめ)は脂肪が少ない白身・赤身です。
血糖の上昇を抑えるアブラが少なすぎです。


おかずに糖質が使われ過ぎた和食懐石弁当は、どのように食べても血糖値が上がります。ですから、栄養指導で、「和食にしましょう」と言っているとしたら、間違いです。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

2018年11月28日水曜日

11/28 料理・献立は主婦に勝るか、管理栄養士?

料理関係に重きを置く週刊誌に栄養士・管理栄養士は多く関わります。料理好きの主婦は、テレビ番組で勝者になります。違いは何でしょうか?考えてみました。


■栄養士は調理、売る料理は主婦?
有志と市の補助金で運営しているディケアのことです。栄養士が、献立と料理を担当しています。悲しことながら有資格者の栄養士には、献立スキルも栄養学の知識も乏しそう。

主婦で理事の女性は、施設の運営のために菓子を作り、ネット販売し、準公的機関のホームページにリンクしてもらい、好調とのこと。一般的栄養学の知識は、そこそこあり、料理は上手、マネージメント力もあります。見学者が後を絶たないディケアを作りました。驚くほど給与が安いものの、生き生きして、次々に新しいことを考えています。栄養士のことを話すときは、調理人か調理補助扱いなのが情けないのです。

主婦は、栄養バランスが整う献立は立てられます。コンピューターで計算していないだけです。



■管理栄養士は主婦に勝てる?
料理に関係する雑誌やPCで活躍するのは、有資格者の管理栄養士か、無資格の料理研究家、主婦などです。

雑誌のことです。
血糖値あるいは血圧降下がある、フレイル予防などのインタビューを受けることが多々あります。管理栄養士の私の役割は、栄養素、食品の選択と体内代謝など根拠を話します。献立・料理を製作する管理栄養士さんは、それを受けて仕事をします。

問題は、食後過血糖を予防することが目的ですが、粉類、はちみつ、みりん、さとうなどがふんだんに使われ、「美味しいのが一番」と言われることがあり、困ってしまいます。糖質総量ではなく、食物繊維や脂肪が多いときは、砂糖を使っても良いのですが、食後血糖が上がりにくい食品・栄養素の組合せが分かる人が少なすぎます。


料理好きな主婦との仕事です。
ある会社の広報誌を作るのに、まず料理好きな主婦が料理を作った後に、私がコメントを入れると言う、従来とは逆の依頼でした。料理は、可愛く、きれいで見事でした。
コンセプトは、ある食品を使って食後血糖を抑える献立です。寿司、煮物、菓子など砂糖をたっぷり使うレシピーが多く、撮影が終了していたので、困りました。写真は、砂糖、ご飯の量をごまかすことができるので、ギリギリ減らしてもらい、組み合わせる食品、料理をアドバイスすることにしました。

主婦は、料理上手ですが、目的が理解できていません。管理栄養士は、主婦が作ったものを目的に添って、修正することができます。


■管理栄養士は調理後の栄養素を推測
ソフト食、柔らか食、軟飯食など塾煮をするものは、調理することにより消耗し、栄養素の充足が不可能なことがあります。管理栄養士は、その消耗分を考慮した献立を作成できます。

とは、なりません。できない人もいます。
誰が、これを担うのでしょうか?市販のソフト食の味が良いかどうかは、管理栄養士以外でもできますが、不足する栄養素の具体的な調整は、誰がしますか。

魚をはんぺんに変え、ほうれん草をもやしやカボチャ、里芋にしたら、血糖値が上がること、ビタミンが大きく変わるなど考慮していない人も多く見受けます。揚げ句、盛り付けが変れば、「美味しそう」が「不味そう」になります。

責任の分析は、必須です。調理補助が作った、調理師が作ったではなく、仕事人としての責務があります。
管理栄養士は、献立がダメ、コンセプトのある献立ができない、顧客が食べるまでの工程のどこに問題があるか分析できないではなく、できることです。

こうした仕事ではなく、病棟専門管理栄養士で、静脈・経腸・経口栄養のすべてに介入することを役割とする人なら、別かもしれません。

献立から料理ができ、食べるまでの過程を、特に料理上手な主婦と管理栄養士の違いを整理してみると良い気がします。



最後まで読んで頂き、ありがとうごいます。

2018年11月27日火曜日

11/27 12月1-2日実践協会長野セミナー経腸・静脈栄養 

臨床栄養実践協会主催、第7回長野セミナーのお知らせ。

管理栄養士は、現在の職場に関係なく、経腸栄養から静脈栄養までの知識を持ち、このプランニングができるようになると、仕事のスキルも上がります。将来、絶対役立つ内容です。是非、ご参加ください。


日時: 2018年12月1-2日10時~16時30分
場所: JA農協ビル12階
参加費:2日間12000円
内容: ①経腸栄養の基礎知識と下痢・誤嚥・嘔吐などの合併症と原因の見つけ方
②簡単にわかる静脈栄養の基礎知識と病態に応じた投与量の決め方
申込: 馬島園子 qmkqd183@ybb.ne.jp


■主な内容
ガイドラインに基づいた経腸栄養療法
栄養剤の種類と選択・アクセス管理・リスクマネジメントについて、ガイドラインに沿って基礎を学びます。

②経腸栄養での下痢、嘔吐などの原因
静脈栄養から経腸栄養に移行した際に生じやすい、下痢や嘔吐の原因の見つけかたを薬物の影響を含めて学びます。 

日本版重症患者の栄養療法に基づいた経腸栄養法
重症患者の経腸栄養について、ガイドラインに沿って解説します。

④静脈栄養の基礎知識
静脈栄養の単位は、経腸栄養や食品と異なり、単位が異なります。その換算の方法をできるようにします。また、輸液剤の種類の分類と使用目的、病態別静脈栄養の組合せ、禁忌事項などを話します。

⑤経腸栄養と静脈栄養の基本的な違い
静脈栄養との基本的な違いがわかると、逆に簡単です。

⑥静脈栄養プランニングのコツと留意点
静脈栄養のプランニングが、献立作成のように考えると、意外とわかります。そんな演習をしながら、静脈栄養剤の提言ができるようにしたいと思います。
⑦症例検討
栄養の問題は何か?優先すべきことはなに?、どこに焦点を当てて指導したらいいかなど、個人で考え、グループで意見交換。そののち発表する方法での演習を行います。


最後までお読み頂き、ありがとうございます。

2018年11月26日月曜日

11/26 仕事の評価は、志?マネー!?

自分の仕事量を金額で評価できますか?志があればお金は要りませんか?。言いにくいことです。


■未来の夢、志がないと給与が必須
 石川啄木の「はたらけど、はたらけど猶わが生活樂にならざり、ぢつと手を見る」は、志が崩れそうなとき、鼓舞する大事な言葉の一つです。


20歳代の前半、本を買い、お洒落をするお金もなく、管理栄養士の未来を見つけることもできず、吊革につかまり、水仕事で荒れた手を見て、啄木の詩に励まされていた気がします。調理員、調理補助より少ない給与でした。

未来への夢、方向性が見つからない時期、脳裏に転職がへばりついていました。そのころ、駒込にあった薄暗いクロッキーの教室に通い、ひたすら裸婦を描きましたが、下手過ぎて趣味にとどめるレベルでした。立教大の哲学者早坂泰次郎氏の研修にも、何年も通いましたが、「気づかない自分に気づく」は、辛くって、絶望感が残り、辞めました。模索する中で、将来、生きがいとなりうる道は、栄養士しか残らなかったのです。

給与が少なくても気にならなくなった時期が来ます。20歳真ん中です。自費で都内の病院の栄養科に手紙を出して、勉強会を立ち上げ、やっと夢ある未来を待つのではなく、自分で探そうと思いした。志と僅かながら未来も見え始めたので、給与は気にならなくなりました。でも、低かったです。

この時期を越すと、もう大丈夫。せんぽ東京高輪病院に入職した時の条件は、時間外給与は1円も請求しないので、自由に仕事がしたい、を通しました。公務員給与と同じでしたから、やはり給与は高くはありません。

ですが、認めてもらえること、仕事が自由なことなど、志を貫くことはできました。時折、情けないと思ったのは、この職業の評価基準が低いことでしたが、まず、実績を上げ、尊敬される、組織体に貢献し、これらを数字化するなどし、管理栄養士の位置づけを上げるよう、頑張るしかありません。それがまた、心地よかったかも知れません。


■依頼先の支払い基準はどのランク?
大学の講師、保健所や栄養士会の仕事、新聞のインタビュー、本の執筆などは、相手先の支払い基準がある場合は、それに従うしかありません。依頼されるだけで、評価されたことになるので、士気は落ちません。
問題は、営利目的が大きい組織の仕事です。自分の評価はお金で提示されますので、管理栄養士の評価の低さなにか、私への評価が低いのか、愕然とすることがあります。

仕事量、能力、費やす時間などを考慮して、評価が低すぎる場合は、言わないとイケません。後に続くこの職業人のためにも。


■栄養ケアステーション、超薄給はダメ
栄養ケアステーションが今一、発展しないのは、職業人として生きるための給与が出る仕組みがないからです。志を持った一部の人は頑張り、成功を収めていますが、生活のために働く人やボランティアは長続きしません。それに、お金を使い勉強に出かける気にはなりません。学習しないと志も持てないのに・・・・。

栄養士会の仕事が、ボランティアでできるのは、役員である、選ばれた責務、意義と目的を感じる人たちだからこそ、交通費と食事が出れば、不満を持つこともありません。選ばれた自負心があるか、他に収入があるからです。他の収入がないと難しいかも・・・・。

今、コンビニ、スーパー、ドラッグストアー、調剤薬局で管理栄養士が住民の相談にあたり始めました。指導料は無料。
ますます、管理栄養士の業務は無料が当たり前になりそうです。良くないことです。とはいえ、この流れは止められません。


■副収入を得られる自分になる
今や、副業が当たりまえです。管理栄養士のスキルを使った仕事で副収入を得られる人は、仕事がの評価されていることになります。
まずは、任された仕事を100%以上にする努力です。どこかからか、パクってきた情報だけでは、見抜かれますが、オリジナルのデーターがあると、「この人なかなか、やるね」と、思われて、仕事が増えるものです。

そのうち、なんでもできる自信がついて、信頼を得ますが、謙虚は大事です。慢心しないことです。

ボランティアでも常に仕事を頼まれるのは、先輩、知り合いの紹介など、コミュニュケーションが多い人です。これは、最高の評価です。なぜなら、あてになる、未来がありそう、信頼関係を構築できるなど感じられるから、紹介で仕事が増えます。それには、勉強会に出席して自分を認めてもらう、顔を覚えてもらうなどが大事だと思います。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

2018年11月25日日曜日

11/25 運動量及び種類による寿命がショック

運動の種類より寿命が異なるのは、前から言われていることですが、どの程度運動したら良いのでしょうか?少し調べてみました。自分のために。


■陸での運動は余命が長い
Copenhagen City Heart Study(CCHS)が、座ることが多い群と運動群の平均余命の延長を調査した結果です。
全身を動かす運動テニス9.7年、バドミントン6.2年と長い。特に足を使うサイクリングが3.7年、ジョギングが3.2年と半分。ショックは、全身運動と信じていた水泳は3.4年とそれほど長くないことです。Mayo Clinic Proceedings誌オンライン版2018年9月4日号に掲載。


■引退後に継続できる運動は余命が長い
大妻女子大学副学長の大澤清二教授の実際のアスリートと寿命に関する研究からのコメントです。引退後も続けられる種目は、平均寿命が長いそうです。相撲、レスリング、ボクシングだけでなく、水泳や陸上短距離も、引退後運動不足になるので、寿命が短いそうです。

台湾の国家衛生研究院の調査では、毎日15分、中程度の運動をする人の死亡率は、しない人より平均寿命が約3年長う、1日90分までは、1日15分増えるごとに死亡率が4%ずつ下がると、報告しています(Lancet. 2011 Oct 1;378(9798):1244-53)


■激しい運動は心臓病のリスクが高い
約110万人の女性の運動量と病気の関係を調べた研究では、ウォーキングやサイクリングなどの運動を、毎日欠かさず行う人は、心臓病や脳血管疾患のリスクが逆に高くなったと、報告しています。(Circulation. 2015 Feb 24;131(8):721-9)

一般に、運動負荷を上げ、最高値に至ったときの心拍数は、最大心拍数=220-年齢(歳),年齢が高くなるにつれ、最大心拍数=215-年齢(歳)で算出します。もちろん個体差があり、アスリートはスポーツ心臓を持っているので40~50拍/分以下、一般人は60~80拍/分、運動不足の人は81拍/分以上と言います。

東北大学の研究では、70回以上の人はそれ未満の人に比べて、心臓病死亡率が2倍になったと、報告しています。運動により、平均心拍数は下げられます。


■恐怖、不安は心拍数が上がる
先日、心拍数を上げる泳ぎの特訓を受けた時のことです。安静時は60拍/分ですが、水深がいつもの1.1mではなく、2.5mを覗いた瞬間90拍/分。その後運動負荷をかけても上がらないので、運動より、溺れる恐怖の方が優勢でした。
最大心拍数215-70=145まではできず、119まで上昇。この年齢で最大はダメです。

スキューバーダイビングでもありました。深さに対する恐怖、体調の悪さの不安などが重なり、潜る前に心拍数が上がり、パニック症候群で引き返したことがあります。

走りたくないネズミを走らせても、身体・心理面ともにストレスが加わと言うのと、私は同じでした。(引用:ランニング学会)



■がん患者のリハ栄養は、逆効果
2018年10月にリハ栄養診療ガイドライン2018初版が、刊行されました。乳がん、頭頚部癌に栄養のみ、栄養とリハを組み合わせた栄養リハを施行した患者の比較です。どちらも介入の効果は乏しく、逆に介入が疲労感、ストレスなどになり、害になる可能性が高いので、推奨を否定すると公表しました。
ですが、結論に人間臭さが滲み、驚きでした。介入を好む家族の要望で、弱い推奨と、介入を進める結論にしていることです。

運動は、負担になることがあるということです。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

2018年11月24日土曜日

11/24 カロリーで考える菓子の栄養指導間違ってない?

ごはん100gと交換できるお菓子の量。ある保健所の保健師さんが考案した、栄養指導マニュアルにあり、疑問に思いました。


■ごはん100gと比べた菓子の量
糖尿病の栄養指導は、カロリー重視で行うか、糖質重視か、食べ方に重きを置くかで全く違います。保健師さんか考えた糖病病の指導は、カロリー重視で、ダイエットに良くても血糖の上昇を抑えるものではありません。

①どれが一番血糖値を上げるでしょうか?
ごはん100g(160kcal)と比較した菓子の量です。
チョコ40g(脂質10g、砂糖10g)
せんべい30g(脂質5g)
饅頭60g(脂質0g、砂糖21g)
シュークリーム70g(脂質6g、砂糖15g)
どれを食べても同じなのでしょうか?

一番上がるのは、饅頭、次にせんべいです。上がり難いのは、順にチョコレート、シュークリームです。理由はエネルギーが同じでも脂質が多く、砂糖を含めた糖質が少ないほど上がり難いからです。

ですから、ごはん100gと同じのため、食べたいときは交換して食べられるというだけでは、ダメなことが分かります。


②ダイエット甘味料がお勧め?
還元水飴、アスパルテーム、キシリトール、スクロース、マルチトールなどダイエット甘味料は、若干インスリンが出るは血糖値を上げないので、甘いおやつを食べたいときは良い。としています。
バニラあずき最中は82kcal、糖質16.4g、脂質1.9g。宇治抹茶110gは80kcal、糖質10.9g、脂質4gがあると、例題にあります。
上記も食べるなら宇治抹茶の方が脂質が多く、糖質が少ないので、まだ上がり難いと思います。


③洋菓子は、和菓子より血糖値が上がり難い
糖尿病ネットワークにもあります。和菓子は、洋菓子より血糖値が上がること、大福もちは皮とあんこでは、皮の方が上がります。和菓子は、一般的に食べるサービングサイズでの実験のようですので、エネルギーも糖質もばらついています。

ですが、洋菓子はたまたま230kcal程度の同じエネルギーで比較してあります。苺のショートケーキより、シュークリームが上がり難い。糖質より脂質が多い方が良いことがわかります。

アイスの血糖は、ハーゲンダッツ(267kcal、糖質 21.7g)は、パピコ(86kcal、糖質 13.1g)と同程度で、アイスの実(113kcal、糖質 24.4g)より、上がらないのです。
http://www.dm-net.co.jp/kanshoku-file/catagorydata/)



■どのように食べたら良いかを指導
①脂質の多い菓子を選ぶ指導
菓子のように糖質が多いものは、脂質が多いほど上がり難いということです。

菓子を選ぶなら和菓子より、チョコレート、ハーゲンダッツやシュークリーム。和菓子は、胃に脂肪やたんぱく質、繊維が残っている段階の食直後に食べることなどです。

図は、社団法人臨床栄養実践協会が11名で実験した血糖値です。洋菓子フェナンシェを食べるのにかかった時間は10.5±4分ですが、栄養成分が435kcal、糖質20.3g(16%)もあるものの、脂質38.7g(80%)が多いため、ほとんど上昇しませんでした。

②ゆっくり食べられるものを選ぶ
食べる速度は、血糖値に大きく影響します。
図は、繊維入りのスナック菓子を食べた時の足立個人の値です。食べる時間は5分より30分かけて、ちょこちょこ食べると上がりません。ですが、饅頭は5分で食べるのもやっとですので、見事に上がりました。つまり早食いしやすいものはゆっくり食べること、それに自信がないときは選ばないことなどの指導は如何でしょう。

これは、エネルギーだけで交換する指導では、できません。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。


2018年11月23日金曜日

11/23 麺食べるなら、朝夕のご飯での調整は誤り?

麺を1人分食べたいときは、朝、夕のごはんを減らせば大丈夫という、ある保健所の保健師さんが考案した、栄養指導法に対する私の疑問です。広く国民の健康指導をする保健所だからこそ、気になります。


■ラーメン食べたけりゃ、ご飯で調整?
保健師さんが考案した栄養指導法で、超素人の感じがしたのが「糖質は1日で調整する」の、文章です。

ラーメンは、半分残してと言われても困ります。残せないからです。ラーメンは1人前はダメではなく、食べ方を工夫すれば、他の麺でも血糖値が上がらない方法はあります。ですが、保健師さんが考えた例題は、間違いです。

以下の例題は正しいでしょうか?
ラーメンやうどんを食べたいと思うなら、炭水化物はうどん1袋45gあるので、朝や昼のご飯を減らして調整すればいいのではないか、というものです。

反論です。
インスリンは基礎インスリンが半分、残りが食べ物を摂ったときに出ます。ですから、上記の方法では、麺を食べた時は、血糖値がスパイク状態で上昇・下降するのが推測できます。

上記の指導で血糖値を上げない方法
このマニュアルには書いてありません。

例えば、卵、チャーシュー、てんぷら、野菜炒めか油のあるサラダを食べたのちに、麺を食べるなら、単体で麺を食べるより血糖値は上がらないはずです。何故なら、消化に時間がかかる油脂やたんぱく質を食べてから炭水化物を食べると、炭水化物が小腸に行く速度が遅れるため、インスリンも異常にでることはないからです。

麺を1人前食べたいときは、1食ごとにどのような食べ物を、どのような順に食べたら良いかが大事です。単に他の時間帯の穀物を減らして、1食に集中させれば、血糖値が上がります。


■麺の制限ではなく、後食べが大事
個々人にあっているとは思えない、エネルギー制限を強要する栄養指導は、公的機関の保健所がすべきことではありません。

炭水化物は最後まで残しておくべきとの、論文があります。
最初にタンパク質と野菜を摂り、10分後に炭水化物を摂る
方法では、血糖値の上昇やインスリン分泌を有意に抑えたのは、最初に食べたより血糖値の上昇を53%抑えられ、インスリン分泌も25%低下したというものです。 

根拠は、食事の開始時にたんぱく質を摂ることで、血糖値を下げるインクレチン(消化管ホルモン)の分泌を刺激できると考えられていること、最初にたんぱく質を摂ると、膵臓のβ細胞に作用してインスリンの分泌を増やすインクレチン(GLP-1)の分泌が上昇するからです。

GLP-1は血糖を上げるグルカゴンの分泌を抑え、胃の動きをゆるやかにすることで食後の血糖上昇を抑制します。
Food Order Has Significant Impact on Glucose and Insulin Levels(コーネル大学医学部 2015年6月23日)
炭水化物の少ない食物でインスリン分泌を十分に刺激した後に、炭水化物を摂ることで食後血糖の上昇を緩やかにすることができると、言う論文は納得できます。

最後に炭水化物を食べた場合は、最初に食べた時に比べ、血糖値の上昇を53%抑えられ、インスリン分泌も25%低下したとの論文が公表されています。
Carbohydrate-last meal pattern lowers postprandial glucose and insulin excursions in type 2 diabetes(BMJ Open Diabetes Research & Care 2017年8月14日) 

炭水化物より先にオリーブ油を摂取することで、食後の血糖上昇が有意に是正されるのはGLP-1 分泌を促進し、胃運動を抑制するためです。(矢部大介, 桑田仁司, 清野裕, 食後血糖と栄養素摂取の順番. 糖尿病59(1) : 30-32 (2016))

結論は、食後血糖上昇抑制には時間要因が大きいことは、わかっています。つまり早食いが血糖値を上げます。麺を咀嚼するのは難しくありませんか。


糖尿病の栄養指導とは、どのような食べ方をすれば、良いかをアドバイスすることだと思います。長続きしないことは国民は守りません。



最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

2018年11月22日木曜日

11/22 信濃毎日新聞に食後過血糖を防ぐ食事が掲載


2018年11月16日信濃毎日新聞、科学にフォーカス欄に食後過血糖を防ぐインタビュー記事が掲載されました。

食後過血糖、隠れ糖尿病は、現在の検診制度では見つけられません。新聞は、未病の人に目を通してもらえるので、大事なツールと思っています。

制限は、糖尿病であっても、長続きしません。ましてや予備軍に相当する人には、合併症が起きるからと脅してもできません。好きなものを食べ、血糖値があまり上がらない要領のいい方法を知ってもらうことです。そんなつもりで、インビューに答えました。

掲載内容は、
高血糖とは何か?。
なぜ糖尿病にならないために食事が大事か?。
危険な食事はどんなものか?
ごはんより先にたんぱく質や脂肪のおかずを先に食べること。
間食は、血糖値が上がり難いリンゴ、キウイがお勧め。果糖と食物繊維を含んでおり、血糖値が上がり難いだけでなく、動脈硬化の予防になる、など書いてあります。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

2018年11月21日水曜日

11/21 たんぱく質が少ない保健所の指導は正しい?

ある保健所の栄養指導方法が、全国の保健所の栄養指導マニュアルになっているとのことです。疑問の部分とその理油を考えてみました。国民は生活習慣を改善できるでしょうか?


■保健婦さんが考案した栄養指導とは
一般に、メタボ健診と言われている特定健康診査・特定保健指導は、2008年4月より40歳〜74歳までを対象にスタートしました。丁度その頃かもしれません、ある保健所の保健師さんが栄養指導マニュアルを考えられ、全国保健所に広がったようです。

その内容は、高血糖とインスリンの関係、糖尿病になると種々の合併症が生じることなど病態の知識を国民に教えることに重きを置いた栄養指導マニュアルです。流石、保健婦さんです。ですが、知識を与え脅す指導方法は、古くから医療機関で行われてきましたが、成功したでしょうか?


■摂取栄養量の把握がないのが問題

個々人の摂取エネルギーには、個体差があり、いくら活動係数などを加味して算出しても、真に適正エネルギーを出すことはできません。
ですが、保健師さん考案の栄養指導は、相手の摂取栄養量を把握することはしません。

この方法では、適正体重の人が2000kcalとっていても減らす必要がないのに、1600kcalで指導したら、体重が減ってしまいます。こんな指導を保健所がしてはいけません。

糖尿病であっても適正体重の人は、現在のエネルギーがどれだけ多くても減らす必要がないので、食べ方を変える指導だけですみます。肥満域の人は、今の摂取エネルギーより減らすだけの指導で良いと思います。本人がどのくらい摂っていようと、いきなり1200kcalなど極端に少ない量を支持するより、実現も可能です。


■肉・魚は各50gは少なすぎ?
糖尿病の指導をエネルギー制限にする方法が是か非かになりますが、保健所の指導がここまで厳しくって、人が守れるのかが疑問です。

たんぱく質源は、肉は1日50g(から揚げ1.5個)、魚50g(サンマ半分)、卵1個、豆腐1/4丁、牛乳200mlだけです。

脂肪の多いさばは40g(1/2切れ)と、少なくしか食べられません。でんぷんが多いはんぺんは90g、塩分の多いいかの塩辛は70g食べられるイメージで記載してあります。ですが、練り物はでんぷんが多いので、さばより血糖値が上がります。それに、健康上、矛盾です。

1日のたんぱく質量は、ごはん、野菜の分を加えても55~60gです。高齢者糖尿病診療ガイドライン2017では、たんぱく質70g以上を推奨しています。イメージは図のような食事です。つまり、高齢者予備群の70-74歳は、たんぱく質制限で筋肉量が減る指導を受けることになります。



■油は血糖抑制、死亡率低下でも小匙1
油脂は血糖抑制効果があります。

2011年メタ・アナリシスでは、高一価不飽和脂肪酸群(MUFA:オレイン酸食)は低MUFA食群に比べて、HbA1c減少効果(-0.21)が認められています(Schwingshackl L, et al. Ann Nutr Metab 2011; 58: 290─6.

BMIが30kg/㎡以上の肥満者では、高脂肪食(39%)が低脂肪食(30%)より体重低下作用があることも食事摂取基準2015に掲載されています。(Nordmann AJ et al. Arch Intern Med 2006; 166: 285‒93.Shai I, et. N Engl J Med 2008; 359: 229‒41. 23)


脂肪率のリスクが減少するかどうかは、カナダ・マックマスター大学のMahshid Dehghan氏らが、Lancet誌オンライン版2017年8月29日号に18国の調査研究を報告しています。炭水化物より脂質が多い方が死亡率リスクが低いというものです。
Dehghan M, et al. Lancet. 2017 Aug 28. [Epub ahead of print]

この保健所の指導では、50歳女性、生活活動係数1.5、そこそこ動く人で、添加油脂15g、大さじ1杯、と少なすぎます。エネルギー制限とエネルギー比率25%と決めるから、最近のエビデンスと矛盾することになります。


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2018年11月20日火曜日

11/20 国の重症化予防プログラムの盲点、知ってる?

平成30年度から、市町村国保において更なる生活習慣病重症化予防、糖尿病性腎症重症化予防の取組を推進するプログラムが75 歳未満を対象にスタートしました。矛盾を感じました。

■重症化予防は、フレイル予防は無視?
大きな疑問があります。対象となる年齢です。各学会の高齢者向けガイドラインの対象は75歳以上、厚労省のフレイル予防の食事摂取基準2015の対象は65歳以上、今回の糖尿病重症化予防の対象者は、74歳以下です。

74歳まではメタボ対策、75歳以上はフレイルって、区切って大丈夫でしょうか?。
70歳の私は、たんぱく質が少なすぎて、フレイルになりそうです。


■若手と高齢者の境目が心配
①HbA1c5.6-6.5%の70歳には、どんな情報提供?
BMI21.5-24.5kg /㎡は、エネルギー制限は不要のはずですので、どんな情報提供でしょうか?
一般的な1600kcalのモデル献立ですか?フレイル予防対策と矛盾しませんか?。個人面談がなく、情報提供は、既存のなんでも制限するパンフレットかもしれません。

健康に注意し始めた70歳は、ちょっとくらい太っていても、お腹が出ていても問題ないことを知らないと、制限するような指導を受けると、痩せようとします。


②HbA1c6.9%、BMI20kg/㎡に痩せた72歳の指導?

糖尿病を気にしてBMI20kg/㎡に痩せてしまった人に、エネルギー1200Kcalの制限食の指示が来たとします。このまま、指導しますか?実際にあった話です。

優先すべき指導は、血糖値は下げなくても良いので、エネルギーを増やし、フレイル予防のために体重を元に戻すことです。油脂を増やし、炭水化物は後食べ、おかずファーストにすれば、血糖値が上がる心配も要りません。


③HbA1c6.9%、BMI23から20kg/㎡に減、尿たんぱく±の74歳、
今年初めて、尿たんぱくの出現があり、1600kcal、たんぱく質40g制限にて指導を依頼されたとします。依頼通りに指導をしますか?


摂取エネルギーとたんぱく質量を把握し、なぜ体重減ったかの原因を探り、健常時体重に戻すことを優先します。あと1年で高齢糖尿病となるので、フレイル予防のためにたんぱく質制限するより過剰ではない程度50gでよいと思います。

HbA1c6.9%に関しては、丁度いいので気にしないことです。75歳ではHbA1c7.0%以上が目標値になるのですから、極端に減らすアドバイスは不要です。
仮に、たんぱく質制限の指導をすれば、低体重でフレイルになるでしょう。


■脂質異常は学会の吹田式とは矛盾
日本動脈硬化学会予防ガイドライン2017に提示された、吹田式は、LDLの値だけでなく、年齢、性、喫煙の有無、血圧などに配慮して、10年後に冠動脈疾患になるリスクを数値化できるようにしたものです。

生活習慣病重症化予防では、吹田式ではなく旧来のNONーHDLコレステロールを用いています。つまり、血圧が低い女性は、LDLが多少高くても、極端な食事コレステロールの制限は要らないはずです。
LDL160㎎/dL、HDL60㎎/dL、血圧110/70㎜Hgの70歳には、卵半分、肉は減らして下さいと言った指導になりそうです。運動しているかどうかの把握はしないので、個々人の適量は無視でしたら、困ります。動物たんぱく質を減らすと、フレイルのリスクになるからです。


■65歳以上から75歳以上の栄養療法を参照に加減する
今や年齢とともに、食事の制限より動物たんぱく質を積極的に取り入れるべきですが、75歳以下でも年齢、体重が減っていないか、フレイルのリスクはないか、神経質ではないかなどに、十分配慮した栄養指導ができるかどうかが問題です。

透析導入患者を減らすだけではなく、人が健康で生きるためために、制限を前面に出すより、食べる指導が必要な気がします。65歳くらいから75歳以上の人を対象にしたガイドラインを参照しながら、個々人にあったアドバイスをしないといけません。



最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

2018年11月19日月曜日

11/19 血清ナトリウム高値の原因は?

80歳女性、入院患者のナトリウム異常の症例検討をしてみます。症例提示の段階で考え、その後症例解説を読んでみてください。


症例検討
1)高ナトリウム血漿
50㎏、BMI22 kg/㎡、体温38℃、80歳女性は、末梢静脈栄養からNa50 mEq、水分1100 mL投与し、血清Na 160mEq/L(基準値137-147 mEq/L)と高値でした。原因を考えてみます。

考え方の手順は、栄養摂取量からみるのが分かりやすいと思います。①水分摂取、②ナトリウム摂取が、過剰か適量か不足かを見ます。次に③疾患の影響があるか、④薬物の影響はあるかで考えます。

ちなみに、脱水・浮腫がない場合、1日に必要な水分は30~40mL/kg、ナトリウムは70~100mEq(17mEq=食塩1g)、Kは30~40mEq(1mEq=39.5㎎)です。


①水分摂取は不足です。
高ナトリウム血症は、水分量とNa量との関係が大きいため、まず水分摂取量と関連する症状を合せて脱水の確認をします。

脱水では、急な体重減少、尿素窒素/クレアチニン比が20以上、脈が100以上、血圧低下、意識障害、尿量減少、尿比重>1.020などが出現しますので、ある程度推測できます。尿中Na濃度の測定は、腎性か腎外性かなど確認するのに役立ちます。

さて、この症例でわかるのは、食事がとれていないので、意識障害があったかもしれない程度の推測はできますが、他の情報は不明です。この場合は、水分摂取量の過不足から検証していきます。

水分摂取量は、1100mL(22ml/㎏)で、発熱による排出があります。
必要水分量は30~40mL/㎏で推定すると、50㎏×30~40mL+発熱分400mL=1900~2400mLですから、800-1300mL不足です。

尿量を1㎏当たり1mL/時で予測する方法では、outは予測尿量1200mL+不感蒸泄50kg×15mL+発熱400mL=2350mL。inは、1100mL+代謝水50㎏×5mL=1350mLですので、1000mLの不足になります。

結論は、摂取量水分量の不足による高ナトリウム血漿が考えられます。


②ナトリウムは、不足です。
食塩に換算すると2.9gの摂取量は、適量でしょうか。少ない方が良い?、多い方が良いかを考えないといけません。

食塩3g程度は、過剰ではありません。浮腫があれば適量ですが、高ナトリウム血漿で浮腫は考えにくいので、否定します。この場合は、発熱がありますので水分と同時にナトリウム不足の混合性脱水の可能性があります。
結論は、不足です。


③疾患の影響はなし
高ナトリウム血漿になる疾患は、抗利尿ホルモン(ADH)欠乏(尿崩症)、大量発汗などによる水分喪失、高血糖による浸透圧利尿にて高ナトリウム血症を生じるなどが考えられます。

確かに、尿崩症は水分だけ尿中に排出され、高ナトリウム血症になる可能性はあります。ADHの測定をしないと不明ですが、先の脱水の方が有力です。
高血糖は、細胞外液を希釈しようとして細胞内から水が細胞外に移動し、血清ナトリウムは逆に低くなりやすいので、否定します。


④薬物の影響は否定できない
高ナトリウム血症を引き起こす薬物は、利尿薬です。ループ利尿薬をはじめ、グリセロール、マンニトールも浸透圧利尿から、高ナトリウム血症を引き起こします。
本症例は、発熱があるにも関わらず、輸液量が極めて少ないので、利尿薬などを服用していた可能性は否定できません。


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2018年11月18日日曜日

11/18 体重増加・減少の原因の見つけ方

80歳女性、入院患者の症例検討を2症例してみます。症例提示の段階で考え、その後症例解説を読んでみてください。


症例提示
1)体重が増加した女性
体重50㎏、BMI22㎏/㎡だった80歳女性は、入院中普通食を全量1800kcal摂取し、体重が月に10kg増加。
エネルギーは過剰でしょうか?ほかのことが原因の場合は、何が問題で、その根拠は何でしょうか        
①エネルギー(過剰・適量・不足)
②塩分(過剰・適量・不足)
③水分(過剰・適量・不足)
④疾患の影響(ある、なし)
⑤薬物の影響(ある、なし)

■栄養ケアプランは?


2)体重が減少した女性
体重50㎏、BMI22㎏/㎡だった80歳女性は、普通食小盛を全量1200kcal摂取し、体重が2kg/月減少。エネルギーは不足でしょうか?ほかのことが原因の場合は、何が問題で、その根拠は何でしょうか                
①エネルギー(過剰・適量・不足)
②疾患の影響(ある、なし)
③薬物の影響(ある、なし)

■栄養ケアプランは?


■症例解説
1)体重が増加した女性
体重50㎏、BMI22㎏/㎡だった80歳女性は、入院中普通食を全量1800kcal摂取し、体重が月に10kg増加

エネルギーは適量です。
まず摂取エネルギーが過剰かどうかをみます。
現体重1㎏当たり36kcal/kg は、過剰?。この量で月に1㎏増加することはあり得ますが、10㎏増えるでしょうか?。

次に10㎏体重を増やすために必要なエネルギーを試算してみます。
1㎏体重増に必要なのは、7000kcalですから10㎏を乗ずると、70000kcalです。1日当たりでは70000÷30日=2333kcal余分に摂取しないといけません。実際の摂取量は、1800kcalですから、エネルギー過剰で体重が増えたとは考えられません。

②塩分は、適量です。
普通食が提供されているので、塩分は1日10g程度で、浮腫が生じる程の量ではありません。塩分10gによる体重増(浮腫)があれば、呼吸苦などにより、食事を全部食べられなはずです。よって、塩分は過剰ではなく、適量です。

③疾患の影響は、ありません。
根拠は、体重増が生じる疾患を想定してみます。腎不全透析導入前、ネフローゼ症候群、肝不全、心不全、甲状腺機能低下症などがあります。

ですが、腎不全透析導入前あたりは、尿毒症がひどく、食事を全量食べられません。ネフローゼ症候群でも10㎏増加もすれば、食欲が落ちます。肝不全でも腹水が異常に溜まり、食欲がなくなります。心不全は、呼吸が苦しくここまで食べられません。甲状腺機能低下症は、食欲がなく食べる量が少ないのに体重が増える疾患です。したがって、疾患の影響はありません。

④薬物の影響は、あります。
根拠は、エネルギー過剰、疾患の影響がなければ、残るは薬物の副作用です。

■栄養ケアプラン
医師には、栄養摂取量の過剰がはないことを、前述のように根拠をもって説明し、薬物の副作用による体重増の可能性があることを相談します。



2)体重が減少した女性
体重50㎏、BMI22㎏/㎡だった80歳女性は、普通食小盛を全量1200kcal摂取し、体重が2kg/月減少。       

①エネルギーは不足です。
適正体重50㎏とすると、月2㎏減らす根拠がないので、エネルギー不足です。2㎏の体重減はありうるでしょうか?。1㎏体重減には7000kcal減らしたことになり、2㎏減になるには、1日当たり14000÷30日=467㎏少なかったことになります。必要エネルギーは1200+467=1667kcalとなり、動かない80歳女性には、妥当な量です。

結論は食事量が食べられず、減らした結果、エネルギーも少なくなったと、推測できます。

②疾患の影響はありません。
体重減少が生じるような甲状腺機能亢進症、癌、ストレス、リハビリなどの運動の増加などが考えられます。
甲状腺機能亢進症は、食欲があり食べるにもかかわらず体重減少が生じるので、否定されます。ほか、食欲がないとは言っていないので、疾患の影響はなさそうです。

③薬物の影響はありません。
体重2㎏減と摂取エネルギーが少ないことに矛盾がないことと、疾患の影響もないので、体重減は薬物の影響ではありません。


■栄養ケアプラン
食事内容のボリュームを同じにして、油脂、たんぱく質源、栄養補助食品などで、エネルギーを増やします。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

2018年11月17日土曜日

11/17 医師への提言が拒否されないコツ?

苦労するのは、医師への提言が正しいときも、受け入れてもらえないことです。若い時に何度も経験をした「あるある」のことです。受け入れられる方法を考えてみました。


■知識をつけると、拒否されにくい
お互いが尊敬できる関係がないと、栄養の提言も受け付けてもら得ないことが多い気がします。それには、栄養に関する知識が多職種より上回っていることです。入院患者は、当然疾患を抱えている人ばかりですから、その知識と栄養、代謝、消化吸収などの知識がないと、とんでもない栄養量を提言しているかも知れません。

思い起こすと、栄養の専門家として関わってもらえた時期は、ほとんど受諾されました。それどころか、丸投げ状態でした。


■結論を先、根拠を説明
何か相談をするときは、医師の都合のいい時間を伺ってからにします。さらに、結論を先にし、その後に必ず根拠を添えます。もちろん、コンパクトにです。何が言いたいのかわからない話し方が、結構多い気がします。さらに、緊急性があるか、ないかも想定して話します。

例えば、血清カリウムが8.0mEq/Lと異常高値になった場合のことです。「血清カリウムの上昇は、食事以外が原因と思います。カリウム摂取量は前から同じで、腎臓疾患があっても少ないくらいの1500㎎(38mEq)です。丁度上がり始めた●●の薬物の副作用の可能性はないでしょうか」と、根拠を示して指導を仰ぐことです。
教えていただく姿勢は、大事です。



■受諾されない時は、妥協点を見つける
提言した内容が、正しかったと、します。

例えば
回復リハビリテーション病棟に入院した経鼻胃管の男性患者は1800kcal必要だとします。
管理栄養士は「前の急性期病院に入院した時の体重から8㎏も減少しており、1200kcalは不足です。リハビリが始まるので、体重を月に3㎏程度増やすには、1日700kcal多い1800kcal必要量です」と・・・・
医師は「増やすと浸透圧があがるので、1400kcalなら良いけど、そこまで増やす必要がない」と、言いました。

浸透圧は同じ栄養剤を増やしたら上がるものではありません。医師の知識が誤っています。

さて、どうしましょうか?

浸透圧の考え方が間違いであることから、1800kcalにしてもらいますか?。これを、コミュニュケーションができていない医師に言えば、関係が悪くなりますので、妥協点を見つけることです。
「では、先生が言われる1400kcalで1週間、体重が増加するかを見て、横ばいでしたら再度検討すると、いうのは如何でしょう」と、話せばうまくいくかと思います。


■一旦引き、モニタリング時期を決める
話していて、どうしても納得、同意が得られないときは、モニタリングの時期を決めるとよいかと思います。
例えば、医師が、「下痢が多いのは経腸栄養剤の質が悪いんじゃない?栄養剤の種類を変えてみて」と言われたとします。前から経腸栄養剤の種類も量、速度も変わらないので、薬物の影響が否定できないと考え、提言したが、受け入れられなかったとします。

こうしたケースでは、「では、3日間だけ消化態栄養剤に変更して経過を見るのは如何でしょう?」と、一旦引きさがり、医師の考えを取り入れれば、納得が得られます。


■医師の理解が誤っていた時は、後で
前述したように、浸透圧は栄養剤の量により変化するものではないことを、説明するタイミングです。その場で得意満面に説明するより、別の機会に話すか、他の職種に話しておき、伝わるようにするなど、医師のプライドが傷つかないようにするのが、良さそうです。


■多職種から攻める
意見が合わないときは、看護師や薬剤師、コミュニュケーションのある医師に相談して、該当する医師に話してもらいます。

患者が良くなるを共通キーワードにすること、医師に栄養学に興味を持ってもらえるように働きかけ、研修に出かけてもらうことなどは、共通理解が深まり、受諾されやすくなります。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

2018年11月16日金曜日

11/16 必要栄養量の計算は正しい?

適正エネルギー、必要エネルギーはどのように決めるのでしょうか?。最近の講演後に質問されたことです。


■各基準で適正エネルギーの算出は困難
適正エネルギーは、標準体重ではなく、本人が健康を維持できる体重に見合う量です。過体重でも運動している人しない人、寝たっきりで回復の見込みがない人とリハビリをする人、などは違うことがわかります。

食事摂取基準は、健康に生きるための推定エネルギー必要量ですから、個々人の適正エネルギーではありません。これから漏れる人が問題になります。

各学会が示す標準体重1㎏当たり●kcalと推奨するエネルギーは、肥満の是正が前提であったり、入院して活動量が少ない人を対象にしたりしています。2017年に糖尿病学会が出した75歳以上の高齢者用ガイドラインでは、標準体重当たりで設定するエネルギー量に根拠がないと言い、25~30kcal/㎏より多くのエネルギーをとるよう勧めています。多くというのが、どの程度かは明記してありません。個体差があり、分からないからです。

75歳未満のエネルギーは、表のように身体活動量に配慮して決められますが、BMI 22kg/㎡が望ましいということになります。厚労省が目標とする70歳以上のBMIは、21.5~  24.9 kg/㎡ですから、24.9kg/㎡なら減らさないといけないことになります。矛盾しませんか。



■入院早々は適正エネルギーより治療
難しいのは、病院に入院した患者さんの初期に算出する適正エネルギーの算出方法です。入院早々は、脱水や浮腫、極端な低栄養、疾患によるストレス、術前など入院目的が異なり、その治療が優先されます。ですから、入院時に決める適正エネルギー量は、治療期間に限定されたものです。

例えば、心不全では、浮腫の治療のために水分制限が優先されますが、1~2週間も400~600kcalでは、低栄養による浮腫を招きかねません。この時期は、どの基準でも良いので、暫定的な必要量を算出しておきます。1週間以内に体重変化と入院前の摂取量を把握して、必要量に近づけていくことだと思います。不足状態をいつのタイミングで適正量にしていくかが、課題です。

結論は、適正かどうかはわからないので、暫定的に決めた数値を早めに補正することです。


■ガイドラインは暫定エネルギー
各学会のガイドラインや食事摂取基準2015に示されたエネルギーは、推測した平均量ですから、個人に適した量ではありません。

私は70歳、身長154㎝、体重51㎏(BMI 21.5㎏/㎡)は、丁度厚労省が示す健康体重21.5~24.9㎏/㎡の範囲です。これを例にして考えてみます。座業も多いので、生活活動係数は1.5ですと、必要量は1550 Kcalです。日本静脈経腸栄養学会、日本糖尿病学会では25~30 Kcal/㎏、1275~1530 Kcalです。しかし実際は1800 Kcal以上摂取しています。つまり、この暫定的量で食事が出されたり、指導されると、るい痩になってしまいます。

入院すると活動量が減るものの、炎症や発熱、手術などなんらかのストレスなどがあって入院するわけですから、必要量が極端に減ることはないはずです。
どうしたら、良いでしょうか?


適正量は摂取エネルギーと体重で補正
結論は、摂取エネルギーを把握して、体重と併せて適正量を決めることです。

男女、世代に関係なく、適正体重であれば摂取エネルギーが適正です。70歳女性が2000kcal摂取していても、BMIが21.5-24.9kg/㎡の範囲であれば、適正エネルギーとなります。これに、リハビリが加わわれば、それ以上に必要です。評価は、1週間ごとに体重測定し、体重減少があれば適正量でなかったことになります。

入院する前に、在宅での栄養摂取量を計算しておけば、早めに適正エネルギーを出すことができます。
ですが、それも入院中に必要量が増加したり、減少したりします。そのため、間接カロリー熱量計がなければ、浮腫や脱水を考慮した体重と摂取エネルギーを見て補正するしかない気がします。


■毎日の体重測定は、栄養量決定に必要
私は、咽頭浮腫にて5日間入院中、毎朝6時に体重測定をしました。体重は入院直近の健常時が51.5㎏、入院時48.8㎏です。入院前の4日間食事が摂れなかったので、脱水とエネルギー不足です。

3病日体重は、脱水が補正され、増加するはずが48.8㎏のままでした。摂取エネルギーは、入院前後7日間の平均が400~600kcal、入院1週間前まで1800kcalですから、1400×7日=9800kcal÷7000Kcal=1.4kg 減少します。ですが、炎症と発熱による必要量の増加、脱水がありますので、体重は2.7㎏減り、妥当かも知れません。

エネルギーは、健常時体重の51.5㎏に戻す量、少なくとも1800kcal(35.2Kcal/健常時体重kg)が必要です。それでも体重が戻らないようなら、適正量ではないので、再修正します。現実的には、月1~2㎏体重を増やす1日233~467Kcalの推測量を追加し、体重測定をしながら適正エネルギーを決めます。問題は、測定する間隔です。私は毎日測定したので、その後に起きた体重増が、エネルギーの増加によるものではなく、薬物の副作用による浮腫であることがわかりました。

体重計は、各病室、あるいは個々人のベッドの下にでも置くべきです。


■摂取量が不明な時は、暫定的に標準量
どの基準を使うかではなく、少なくとも週1の体重測定と摂取量を合せ、早めに適正量に修正することです。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

2018年11月15日木曜日

11/15 DASH食インタビューが日経新聞に掲載

2018年11月10日日経新聞に掲載されたDASH食のインタビュー記事です。


■降圧効果のあるDASH食
DASH食とは、心筋梗塞などの心疾患でなくなることが多いアメリカでの論文を日本高血圧病学会ガイドラインが引用文献として提唱してきました。

血圧を下げる栄養素としてカリウムをはじめ食物繊維などの単一成分の研究が、長く続きました。その降圧効果は少なかったのですが、カリウム、食物繊維、カルシウム、マグネシウムを増やし、飽和脂肪酸とコレステロールを減らす食事は、小さな効果も複合的にとれば、塩分制限より大きな降圧効果があるというものです。


カリウム・繊維は果物・緑黄色野菜で
カリウムは、主に緑黄色野菜や果物に多いことは知られていますが、たんぱく質源である魚や肉、卵、豆類などからも摂れます。茹でると茹で汁に逃げるのは知られていますので、野菜は茹で過ぎないことが大事ですし、生で食べられる果物は確実に補給できます。食物繊維も同じく、緑黄色野菜、果物に多く、他きのこ、海藻に多く含まれます。

降圧効果を目的としたカリウム摂取量は、1日に3500㎎です。しかし、病院の高血圧食では、野菜350g、果物100gとって、2500㎎しか取れません。学会推奨量より1000㎎不足です。現在国民が摂取している野菜280g、果物130g程度も同様に少ないことが分かります。

食物繊維は、食事摂取基準2015の量、男性19g、女性17gを推奨していますが、病院の高血圧食では15gと推奨量より2-4g不足です。

降圧効果が期待できるカリウム、食物繊維量にするには、緑黄色野菜150gとカリウムの多い果物200gを摂ることです。バナナとキウイ、メロンはカリウムの王者ですが、繊維と共に含むのは、キウイ、リンゴです。


■カルシウムは、乳製品から
カルシウムは、牛乳、チーズ、ヨーグルトなど炭酸カルシムの多い乳製品に多く含まれます。最近では、カルシウムを強化した乳製品だけでなく、飲料が多く発売されていますので、表示を見て購入すると良いと思います。

ギリシャヨーグルト、明治のザバスなどは、カルシウム、たんぱく質が多く、塩分がほとんどないので、血圧が高めの方にはお勧めです。それに、キウイやりんごを加えると、カリウム、繊維も摂れるので、最高のおやつになります。



■マグネシウムは、ナッツ類から
マグネシウムは、ナッツ類からとるのが効率的です。アーモンド、クルミ、ピーナッツなどは、マグネシウムが多いだけでなく、食物繊維、カリウムなど降圧効果のある成分を含みます。ほかに脂質の代謝に必要なビタミンB2、抗酸化作用のあるビタミンEなど、なかなかです。種類により多少の違いがありますので、ミックスナッツがお勧めです。

ナッツを食べたら止まらない人には、肥満、血圧上昇とマイナス要因とまりますので、塩気がない小袋を200kcal程度にとどめるのが良いと思います。


■たんぱく質は減らし過ぎない
飽和脂肪酸、コレステロールを減らすことが降圧効果があるとしたのは、アメリカの食生活を元にした研究です。これらは、肉類や卵に多いものの、日本人は気を付けないといけないほど食べていません。国民栄養調査によれば、肉は健康に気を使い始める60歳代から減り、70歳代ではから揚げ1.5個程度と、とんでもなく少ない量しか食べていません。ビックリです。

高齢になるにつれ、フレイル予防のために動物たんぱく質を多く摂る方が良いとも、厚生労働省食事摂取基準2015には書いてあるのに、国民は減らしています。

高血圧発生の多くは、中年以降、高齢者です。肉や卵を減らすどころか、摂らないといけません。卵1個、肉は人によりますが最低100gはとることです。ちなみに私は100-150gを目安にしています。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。 

2018年11月14日水曜日

11/14 果物たくさん食べても血糖値は上がらない?

2018年日本臨床栄養学会にて「学会推奨量(80kcal/日)以上の果物摂取による食後血糖値への影響」と題して6種類の果物を食べた後の血糖値の推移を発表しましたので、書きます。

■目的
果物は高血糖のリスクになるとして、日本糖尿病学会では、80kcal相当量を推奨していますが、2倍摂取し、食後血糖値に影響するかを検討。

■対象
FreeStyleリブレR(FGM)を用いて、何らかの食べ物で食後血糖が140 ㎎/dL以上になったが、糖尿病のない管理栄養士 18名、年齢 49.2±11.5歳、HbA1c 5.5±0.2%)

■方法
 1)80kcal相当量の果物を6種類摂取し、キウイをコントロール群としました。血糖値は、飲食前110mg/dL以下を条件に、食直前を0時、30分毎2時間値までを、信頼性・互換性の確認のために、フリースタイルリブレ(間質液)とFSプレシジョン(血液)を併用して測定。

2.年齢・BMI・HbA1c・糖の組成・食物繊維等と食後血糖値の関係、推奨量と推奨量以上摂取後の血糖値の上昇率及び群間の差異について検討。

3.血糖値の測定は、喫食時間を統一し、食前が110㎎/dL以下を条件に、30分ごと2時間値まで測定。
4.検定は、差異をスチューデントのt検定及びピアソンの相関係数を使用し、有意差を5%未満、相関係数を0.3以上を有意としました。 


■結果
1)食後高血糖域(>140㎎/dl)は、パイナップルのみ

推奨量の2倍(160kcal相当量)の果物の摂取は、80kcal相当量に比し、6種類全てにおいて食後血糖値が有意に上昇したものの、食後高血糖域(>140㎎/dl)に至ったのは、パイナップルのみでした。




2)80kcalで血糖値が上がり難い種類は、160kcalでも上昇しにくい

推奨量に比べ推奨量以上摂取した場合の血糖上昇率は、各果物間では全例で有意に上昇。キウイフルーツは27.9%から42.7%に、パイナップルは42.3%から67.2%に上昇し、それぞれの群間の差異は14.8±9.7% 、24.9±6.9%でした。

推奨量の80kcalで血糖上昇率が低い種類は、推奨量以上にしても血糖上昇率が低い傾向にありました。果糖や食物繊維が多く、しょ糖が少ないキウイ、リンゴは、2倍量摂取しても食後血糖の上昇率が15%未満と、食後血糖は上昇しにくいことが示されました。

3)果物の選択方法を指導すべき
対象は食後血糖値が上がりやすい健常者ですが、果物は高血糖のリスクとなるとした画一的な指導から、糖の組成に注目した選択方法や食べ方の指導へと変更する必要があると思われました。


■考察
今や、果物250g程度は2型糖尿病のリスクを軽減する、キウイ、リンゴ、ベリー類は中性脂肪を低下させ、HDL を上げる(2017年動脈硬化治療ガイドライン)と言われていますし、2013年米国糖尿病学会では、総エネルギーの12%までは血糖値に影響しないと言っています。

160kcalの果物は、キウイの場合で320g、大きいので4個、小ぶりは5個です。1日に数回分ければ食べられますが、1度に食べるのは苦痛です。確かに、みかんなら10個食べる人がいるのは、確かですが、それでも1度に食べなければ問題がない気がします。

果物は悪いのではなく、食べる量と質を考えて指導する必要がありそうです。


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2018年11月13日火曜日

11/13 病院の糖尿病食・高血圧食は果物不足?

2018年日本臨床栄養学会連合大会で発表した内容と他の調査を合わせて、病院の糖尿病食、高血圧食のことを書いてみます。


■病院の糖尿食・高血圧食の果物は不足
2018年日本臨床栄養学会連合大会で発表した内容です。果物の実験をしてきた14名が所属する施設の食糧構成量と学会ガイドラインでの推奨量を比較検討しました。



■食糧構成量の実際は、推奨量の半分

実際の給食での糖尿病及び高血圧食の食糧構成上の量は、80-90g、約50kcalと、ガイドライン推奨量の1/2程度かそれ以下。日本糖尿病学会が推奨する80kcalを充足した施設は、14件中1施設のみの7%のみ。日本高血圧学会、すなわち栄養バランスガイド200gを充足した施設は0%でした。
食糧構成の修正及び栄養指導での見直しが必要と思われた。


■高血圧病学会・食事摂取基準と比較

日本高血圧病学会ガイドラインでは、カリウム摂取量3500㎎を目標としていますが、病院の高血圧食では2528㎎と、約1000㎎不足します。食物繊維についても、食事摂取基準2015の男性19g、女性17gにも満たない15gです。果物が100g程度と少ないためと、食物繊維、カリウム共に充足できていないことが、推測できます。

Fujitaらの報告でも、3日間減塩を行った後、6 日間の食塩負荷を行い、1日3,500 mgのカリウム補充し、血圧の上昇を抑制すると、報告しています。これはWHOのガイドラインで推奨しており、野菜を500gほどとらないと充足させられません。その点、果物の方が増やすのが容易です。


■糖尿病学会の推奨量
米国の糖尿病学会では、繊維が多く血糖負荷の低い食品に重点を置いて、全粒穀物、野菜、果物、豆類、乳製品から炭水化物を摂取することを勧めるべきとしています。日本糖尿病学会は、80Kcalとしていますが、実態はその半分しかでていません。


2017年日本臨床栄養学会にて報告した内容ですが、キウイを1個追加しただけで、食物繊維から、カリウム、カルシウム、ビタミンB2まで充足されることが分かりました。


■動脈硬化学会予防ガイドラインでは
2017年日本動脈硬化学会予防ガイドラインには、果物の摂取量が多いほど、全死亡、心血管疾患死、冠動脈疾患リスク、脳卒中リスク、 2 型糖尿病リスクが低く、特に柑橘類とリンゴ、ナシの摂取量との関連が強いと報告。果物の摂取量が多いほど、高血圧有病率が低い。

また、糖質含有量の少な い果物(グレープフルーツかスウィーティー、キウイフルーツ、ベリー類)の付加で、わずかなTG の低下あるいはHDL-Cの増加を認めたと報告しています。


■糖尿病・高血圧食の果物不足の原因
一般に、糖尿病食は、エネルギー制限食と言うカテゴリーで分類されています。そこに果物が少ない盲点があります。主食が減ると物足りなさを感じるので、果物を80kcal出すより、ご飯の量を増やすようになります。また、使える食材料費が少ないこともあります。

ですが、一般食に追加して治療食加算が医療保険から支払われます。糖尿病食の食糧構成は、一般常食あるいは全粥食献立から、穀物やイモ類を減らしただけのことが多い気がします。

高血圧食も同じです。塩分制限はするものの、食物繊維やカリウム、カルシウム、マグネシウムなど高血圧病学会が推奨するDASH食までの配慮がないように思えます。


■不足栄養素の解決策は?
どの基準にしても、少なくとも推奨量が充足できているかの確認が必要です。そのうえで、給食の果物を増やすか、購入してもらうかを検討することだと、思います。

  

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2018年11月12日月曜日

11/12 実験結果、果物80kcalは血糖値が上がらない?

2018年日本臨床栄養学会にて「糖尿病食及び高血圧食の栄養指導における果物摂取量の矛盾について検討」と題して6種類の果物を食べた後の血糖値の推移を発表しましたので、書きます。現状の給食での提供量については、後日見てください。


■果物80kcalは、血糖値上がらない?
■目的
日本糖尿病学会や日本高血圧学会における果物の推奨量は、病院給食や栄養指導の場において必ずしも実践されていません。そこで、病院での使用頻度の多い果物について食後血糖を測定し、学会が提言する果物の推奨量と病院給食での提供量に関する矛盾を検討しました。

■対象
FreeStyleリブレR(FGM)を用いて、何らかの食べ物で食後血糖が140 ㎎/dL以上になったが、糖尿病のない管理栄養士 18名、年齢 49.2±11.5歳、HbA1c 5.5±0.2%)です。

■方法
1)80kcal相当量の果物を6種類摂取し、キウイをコントロール群としし、血糖値は、飲食前110mg/dL以下を条件に、食直前を0時、30分毎2時間値までを、信頼性・互換性の確認のために、フリースタイルリブレ(間質液)とFSプレシジョン(血液)を併用して測定。

2)検討項目は、年齢・体重・HbA1c・栄養素と食後血糖値と血糖上昇率・果物間の上昇率及びその関係を検討。
さらに、実験者が所属する施設の食糧構成量と学会ガイドラインでの推奨量について検討。

3)検定は差異をスチューデントのt検定及びピアソンの相関係数を使用


■結果
1)果物80kcal相当量は、食後血糖値140㎎/dl以下
80kcal相当量は、パイナップル、バナナ、みかんにおいて、キウイより30分値が高いものの、140mg/dL以上に至ることはなく、何を食べても問題ないと思われました。


2)糖の質と繊維量が食後血糖に影響



キウイフルーツ、リンゴは、食後血糖値が上昇しにくいことが分かりました。理由は、果糖、食物繊維が多く、しょ糖が少ない方が食後血糖の抑制と相関したからです。なお、水溶性食物繊維とは関係しませんでした。ぶどう糖と血糖値の関係がなかったのも、ぶどう糖が多い果物の種類が少ないことによるかと思われます。

3)年齢が高いほどHbA1cは高い


年齢と共にHbA1cは上昇するものの、果物摂取量とは関係ありません。BMIが少ないほど血糖値が高いのは、今回肥満者がいないことが世の中で言われていることと逆になったと推測できます。あるいは痩せていても食後血糖は上がりやすいとも言ます。


■考察
本実験は、食後血糖値が140㎎/dL以上になったことがある対象者ですが、血糖値が高い人にも同様の傾向が考えられます。食べる時間は5-10分内としましたが、ゆっくり食べることは大事です。


次回は病院の糖尿病食、高血圧食と果物の関係を書きます。

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2018年11月11日日曜日

11/11 ソフト食・柔らか食は低栄養になる?

病院給食の中でも、低栄養のリスクが大きいのがソフト食です。見た目も大事ですが、生きるための基本の栄養素が取れないと、飲み込む筋肉の回復は見込めません。その問題点と対策を考えてみます。


■ソフト食・柔らか食は栄養素量不足
何が不足なのか、なぜ不足になるかを考えてみます。

1)ソフト食は予定献立より少ない


ソフト食を食べる人の多くが小食のため、かさが増やせないことは理解できます。年齢は80歳を超しています。

食事摂取基準2015年にある推定エネルギー必要量には、70歳以上としか記載がありません。ですから、私見で100kcal程度少なく見積もると、必要栄養量は1500-1600kcalとなりますが、病院も施設も1000-1200kcal、たんぱく質40gで、50g提供しているところは多い方かと思います。

問題は、実際に提供されているのは、10-20%少ないのです。医療監査での指摘がないので、野放しです。



2)市販のソフト食では足りない
市販のソフト食・柔らか食、1食分のおかずは、総量100-160g当たり、200-250kcal、たんぱく質4.5~9gです。これに全粥100g、70kcal、たんぱく質1.1gを合わせると、1日900-1000kcal、たんぱく質30gです。

別に、単品のあいーとシリーズは、70-100kcalで、たんぱく質6-9gと、たんぱく質は比較的多い方です。他、食物繊維、鉄分、亜鉛、鉄分が強化されたものもあります。


3)献立のエネルギーを上がる方法は?



図のソフト食の問題を考えてみましょう。

優先順位は、十分なエネルギー、次にたんぱく質の確保です。この方法は、「MCT、油脂の量、卵を増やし、脂肪の多い魚や肉に切り替える」ことです。さらに「栄養補助食品とプロティンパウダー」を取り入れます。

図上段は、1食250kcal、たんぱく質5g、図下段は、おかゆを付けて350kcal、たんぱく質10gくらいで、これを3食食べても、3代栄養素は足りません。

①野菜よりエネルギーとたんぱく質を優先
図上段は、この量が限度であれば、優先順位は芋より卵・肉を取り入れることです。図下段は、野菜が多すぎのため、大根の料理は、温泉卵か炒り卵などにします。量が食べられない人には、野菜よりエネルギーとたんぱく質を優先することです。

②簡単にできるMCT、油の追加


上段を例に挙げると、ソフト食のお粥には、熊谷リハビリテーション病院方式でMCTオイルの液体と粉末タイプ、プロテインを小さじ1杯混ぜるとエネルギーが150kcal、たんぱく質が2.9gとれます。MCTは、徐々に増やして反応を見るのがお勧め。

煮茄子は揚げ茄子の煮びたし、150kcal、たんぱく質5g増えます。こうした工夫により、元もの250+150+150=550kcal、たんぱく質5+2.9+5≒13g。1食合計600Kcal、たんぱく質18g確保できます。

おやつ感覚で食べらる中鎖脂肪酸メモリオンは、1袋で60kcal、私の母は1日3-5本飲んでいましたので、これだけで180-300kcal取れていました。お勧めですが、病院の経済力では提供できないので、購入してもらいます。私なら。


③素材は油脂の多い種類に変更
素材の基本は、肉は鶏肉より脂の多い合いびき肉3度挽き、ばら肉、ロース、魚はサンマ、イワシ、ギンダラ、金目鯛、ぶりカマ、中トロ、皮無しうなぎ、卵の頻度を増やします。

練り製品は、たんぱく質量が少ないので、私なら使いません。ただし、練り製品でも舌で潰れ、しかも他の栄養素が強化されていれば利用価値があります。タラを使う場合は、タルタルソースをかけるような料理法にするか、必ず別にエネルギーとたんぱく質が多いものを組み合わせます。


④卵、ギリシャヨーグルトの活用
果物を半量にして、ギリシャヨーグルト50g、MCTを混ぜる。芋を減らして、ゆで卵のサラダ、柔らかオムレツやスクランブルなどにすると、安上がりです。


⑤酵素で食材を軟らかくする
ソフト食より、舌でつぶそうと思える硬さの方が、機能が回復すると言われています。元々脂ののった肉や魚は、酵素で軟らかくする方法もあります。当然エネルギーアップになります。


⑥栄養補助食品、強化食品を活用

 ゼリータイプの経腸栄養剤は、マルチ栄養素が含まれているので、飲めたら1日1個は必須です。他にアイドゥ株式会社のみそ汁などは、エネルギー80kcal、たんぱく質5.4gと卵1個相当も含み、水溶性ビタミン、鉄まで補給できます。のりの佃煮は1袋で50kcalになるものもあります。

企業が開発された商品を上手に組み合わないと、必要栄養素量の補給は不可能です。



適量の個人差を議論しても始まりません。低体重の人は、体重を増やして、退院させることです。


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2018年11月10日土曜日

11/10 外見一番、スキル二番は成長の秘訣?

カッコ良いと思う人は、誰でしょう?。カッコよくなりたいは大事なことだと思います。私見で書いてみます。


■カッコいいと思った米国栄養士
30歳代前半に出会った、米国研修で登録栄養士(RD)が、病棟で働く姿は、カッコよくって、こんなふうになりたいと思ったのを忘れません。

当時、管理栄養士でも三角巾をかぶり、給食現場で働くのが主な業務の時代でした。それが、赤のミニスカートに驚いていたら、白衣ははだけ、爪マニュキア、ピアス、ネックレスまでして闊歩。目は釘付け状態です。医師に栄養療法の提言をする姿は、同格の感さえあリ、当時ではカルチャーショックでした。生まれ持った容姿の問題はありますが、私同じ背丈の人も、皆カッコよく見えました。



■米国研修から帰って即実行したこと
米国の登録管理栄養士がカッコいいのは、仕事に対する自信、誇りですが、そこは即実行できません。ですから、表面の「ミテクレ」の修正です。

整形手術はしません。化粧は被れるのでしません。できることは、衣類とヘアースタイルに気を配る、太らない程度に維持すること位です。流行に合せてソバージュにし、収入も少ないのに40歳代の服はアルマーニ、靴はヨシノヤ。表面を整えると、背筋がピリッとし、カッコよくなった気がしたものです。

今は、気にならなくなりましたが、、、、。


■カッコいいキャリアウーマン
20歳代に出会った秘書をしていた女性は忘れられません。アメリカから帰り、秘書として面接したとき、給料が安すぎたので値上げを要求したそうです。「私を3日使って、私が提案した給与に見合わないようなら首にしてください」と、言ったとのこと。よほど自信がないと言えませんし、彼女の洋服も凛としていて、素敵でした。キャリアウーマンです。
説明を追加

最近では、M&Aなどに関わる総合職を任されている女性も、カッコいい。仕事ができ、毎回着てくる服が可愛いのに、センスがあるのです。



キャリアができるとカッコよくなるのは、確かそうですが、、、無いときは、どうしましょう。



■ナースは可愛くなくっちゃダメ
医療職では、ナースは可愛いいし、カッコ良くないですか?制服を一生懸命選んでいます。機能性だけでなく。

昔、一緒に働いていた若い看護師が他院に移動してから、別の意味で輝いています。制服のファッションショーや化粧の仕方、可愛く清潔に髪を束ねる方法などを専門業者を招いたイベントをしながら可愛く、カッコよくを広げているのです。看護師の歌までⅭⅮに吹き込み、歌手のようでもあります。

そういえば、前の職場の職員が我が家に集まり宴会をした時のこと。この若い看護師は、ピンクの服に白の総フリルのエプロン。まるで、新婚さんかディズニーのキャラクターでした。

私には、襟フリルの制服までの発想はありません。輝くナースを目指そう運動の一環のようです。



■外見一番、スキル二番じゃダメ?
カッコいい人を思い出してみると、スキルと外見の双方が揃っている気がします。

昔、遊びには白いスーツ、仕事はフェラーリーに乗っていた管理栄養士の方をみて、憧れました。写真だけでもカッコいい。オーラがあり、こんな管理栄養士が日本にいるのかと思ったものです。この時、彼にはすでにスキルがありましたが、深くは存じ上げない時代です。

外見一番にしてみたら、それに合うスキルを付けたくなるかもしれません。私はこれに近いです。



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2018年11月9日金曜日

11/9 施設・病院に便秘が多いのは何故?

施設では便秘の人が多いけど、何故でしょうか?と、先日、講演したときに受けた質問です。可能性のあることを考えてみます。



1)栄養の影響はあるかを考えます
①水分不足か?
 水分不足は、一番大きな原因かもしれません。便が大腸を通過する際に、水分が吸収され、下行結腸から直腸に近ずくにつれ、形づくられます。水分が少ないと、コロコロの便になり、直腸にとどまって出てきません。こうなってからでは、コロコロ便に水分は届きませんので、浣腸やウオシュレットで、肛門側から刺激するしかなくなります。それもだめなら下剤です。


なぜ、高齢になると水分が減るでしょうか。
口渇感が減る、認知症、介助が必要な人、食事摂取量が少ない人、夜中トイレに起きるのが嫌な人などは、水分摂取が減るものです。



水分摂取の適量とは
どれだけ飲むのがいいのかは体格により違います。例えば体重40㎏の人では、40㎏×40mL=1600mLいると考えると、食事のカロリーが1200kcalなら水分900mL程度ですから、700mLの経口飲水が必要になります。もちろん、この程度の量は摂取していても便秘であれば、1000mLまで増やしてみます。

具体的な対策は
食後、おやつの後、食間、就寝前、起床時に100mLずつ飲みめば900mL確保できます。特に就寝前と起床時の量を増やすのが、脱水を防ぐ意味で大事です。当然、食事量が減ったら、飲水量を増やします。


他は、冷たい牛乳や冷水をコップ1杯程度飲むのが良いと言われますが、高齢者が200mLとるのは大変ですし、冷たいものは飲みたがりません。電解質ドリンク、薄めた野菜ジュース、スムージー、乳酸菌飲料などは、量をとり易いのでお勧めです。


②食事摂取量が少ないか?
食事摂取量が少ないと、便の傘ができないので、腸管壁に刺激を与えることができない、蠕動運動が減るなどで、便秘になります。食事量が減ったら、高齢者だけでなく便秘になります。


③食物繊維が少ない
食物繊維は、水分を吸着し、便量を増やし、柔らかくして、便の排泄を楽にします。施設の食事は、一般に食物繊維の多いキノコや海藻、緑黄色野菜、果物などがあまり出てきません。歯が悪い、呑み込みが悪いなどがあり、こうしたものが出しにくいこともあります。
食物繊維は、便秘予防には役立ちますが、便秘になってからではお腹が張るだけで逆効果です。


対策は
高齢者は、食事量を増やすと食べきれないので、食材の質を変えてみます。食物繊維の多いキウイ、リンゴなどがでているか、果物の量は少なくないか。ゴボウ、キノコはミキサーにかけポタージュのようにしたり、刻んでひき肉に混ぜるなどできます。


④油脂が少ない
油は腸での潤滑油の働きをし、便を出やすくしますが、施設の食事は、鶏肉、白身魚が多く、アブラそのものをあまり使いません。少量しか食べない高齢者には、アブラを増やす方がエネルギーも取れます。


対策は、簡単です。サラダや揚げ物だけでなく、煮物は炒めて煮る、炒め物のアブラを増やすなど、献立を大きくいじらなくて容易に改善できます。



2)疾患の影響を考えます
糖尿病、脳血管障害、甲状腺機能低下症などの全身疾患では、便秘になる人がいます。また、身体が不自由、腰などの関節に痛みがある人では、排便時にいきむことが難しく、便秘になり易いと言います。
施設に入る人は、上記の疾患を持つ人の割合が多そうです。

3)薬物の影響を考えます

薬剤に副作用で便秘が誘因されることもあります。高齢者では心血管系疾患や消化器疾患、神経疾患などの治療薬が複数投与されていることが多く、可能性は否定できません。
浣腸や下剤の習慣性は、下剤の刺激がないと腸の蠕動運動が起こらなくなり、便秘が習慣的になります。

なお、緩下剤であるラキソベロンは、主に腸管の蠕動運動作用があり、酸化マグネシウムは、主に腸内で水分の再吸収を抑え、便を軟らかくする作用があります。ラキソベロンだけでなく、酸化マグネシウムが併用される理由は、作用の違いによります。


4)高齢者の特徴を考えます
高齢者、特に施設に入る人は、社会的活動がほとんどなく、身体活動や運動量がとても少なくなります。動かなければ、腹筋、腸の蠕動運動が低下し、便は長く腸内に留まリ、その結果、水分が吸い取られ、固くなります。また、直腸から肛門に便を押し出すための、肛門括約筋の収縮と弛緩などの機能も衰えます。


5)結論
高齢であること、疾患や運動量の低下などは、は改善できません。改善できるのは、水分とアブラを増やし、次に食物繊維の多い食材に変え、それでも改善が望めない場合は、腸まで届く乳酸菌の利用も考慮すべきかもしれません。食事は変えることができます。


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2018年11月8日木曜日

11/8 経腸栄養投与後に高血糖に至った症例の解説②

10月30日に提示した、中心静脈栄養から経腸栄養後に高血糖になったので、医師から「経腸栄養にしてから血糖値が上がってきた。インスリン使うから、カロリーを減らそう。」と言われた症例検討です。


■中心静脈から経腸栄養に移行した患者
患者は、79歳女性、40㎏(BMI 17㎏/㎡)、両側慢性硬膜下血腫にて手術。


■経腸栄養投与後に血糖値、Na 上昇?
1)栄養の影響はないか
①エネルギー過剰はあるか?
エネルギーは、中心静脈栄養の時期の15病日まで1360kcal、経腸栄養にした35~45病日が1200kcal(入院時の体重当たり30Kcal/kg)であり、多くはありません。元々BMIが低いうえ、さらに体重が減少しているので、意識レベルの改善やリハビリの可能性があるなら、不足です。

②糖質量が増えたか?
糖質は、静脈栄養の時期が290g、経腸栄養では198gと減っています。しかも経腸栄養は、消化・吸収の過程を経るので、直接細胞に取り込まれるぶどう糖が静脈に入るより、上がりません。ですから、高血糖の原因にはなりません。

③投与速度が速くなったか?
投与速度は、1時間100ml、100kcal、糖質にして16.5gです。1時間かけて砂糖大さじ2杯弱です。早いはずがありません。

④ナトリウムの過剰はあるか?
45病日血清ナトリウム値が161mEq/Lと高くなったのは、標準的経腸栄養剤のナトリウム含有量が100mL中150㎎前後のため、食塩換算をすると1200kcal中4.6gで、過剰はありません。

なぜ血清ナトリウム値は高値になったのでしょうか?ナトリウムの過剰がなければ、水分が適量かの確認が要ります。

⑤水分不足はあるか?
45病日の水分は、37℃の微熱があるので、標準的量の30-40mL/㎏に200mLを加えると、1340-1720mL必要のところ、1710mL(45mL/㎏)で、標準的です。

ですが、問題が1つあります。
尿量1800mLは多くないでしょうか?水分のインアウトを計算してみます。
アウトは尿量+不感蒸泄と代謝水の差10mL/㎏+発熱1℃で200mL=2380mLとなり、670mL多いのです。尿量が多いのは、薬物の変更がないので、高血糖多尿が原因の可能性があります。高血糖を改善するまでは、水分不足となります。


2)疾患の影響はないか
①糖尿病の既往があり、悪化したか?
糖尿病の既往はありません。1型に移行した結果、高血糖になったと仮定すると、体重減少に至りますが、減少していないので、否定されます。

②甲状腺機能亢進症(バセドウ氏病)
甲状腺機能亢進症の特徴は、食欲があるが体重減少、高血糖になりやすいことです。食事を食べていないので、食欲はわかりませんが、体重は静脈栄養の時期と同じですので、この病気は否定されます。

③新たなストレスが加わった
ストレス要因となる侵襲は、入院直後の術後はあったかもしれませんが、経腸栄養に移行してからはありませんので、否定できます。


3)薬物の影響はないか?
薬物の影響は、血糖値に異常値が生じた前に処方されたものの副作用が疑われます。ですが、この症例は1病日から種類は変わりません。


次に、薬物の量が増えたかを確認します。薬物の処方量を見落としましたが、フェニトインの血中濃度と血糖値が共に上昇しています。高血糖は、薬物の能書、厚生労働省の重篤副作用高血糖が生じる疾患をみても、フェニトインの影響であることが分かります。商品名はアレビアチンです。


■栄養診断
1)薬物の影響による高血糖です。
医師には、「経腸栄養剤の影響はないので、血糖、フェニトインの調整をお願いします。」と、栄養の影響でないことを強調しながら提言します。

2)水分不足です。
医師には「高ナトリウム血症は、高血糖脱水によると思いますので、ナトリウム量は現状で、血糖値が下がるまで水分補給をお願します」と、根拠を示しながら話します。


■栄養計画と結果は?
医師は、痙攣治療のためフェニトインの中止はできないが、インスリンで血糖管理をし、可能な限り減量するとのことでした。

高血糖のうちの栄養計画
フェニトインが減量され、インスリン未使用で血糖管理ができるまで、低炭水化物の経腸栄養剤グルセルナExに変更しました。

結果
51病日の血糖値は、インスリンが減量されましたが、フェニトインの量が減ったため、血糖値は202㎎/dLまで低下。当然、高血糖の基準値までに改善しました。


大事なことは、栄養の影響ではないことを根拠をもって、医師に提言することです。


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2018年11月7日水曜日

11/7 経腸栄養投与後に高血糖に至った症例①

血糖値が上がる要因は、遺伝、食事、生活習慣、薬物の副作用など、さまざまあります。中心静脈栄養から経腸栄養後に高血糖になった症例検討をしてみます。


■中心静脈から経腸栄養に移行した患者
カンファレンスで医師曰く、「経腸栄養にしてから血糖値が上がってきた。インスリン使うから、カロリーを減らそう。」と。さて、何が問題だったでしょうか?


症例
患者は、79歳女性、40㎏(BMI 17㎏/㎡)、両側慢性硬膜下血腫にて手術。
* 病日とは入院何日目と同じ。

投与栄養量は
•15病日:全粥食10%と中心静脈栄養(TPN)を併用にて1360kcal、糖質290g 、体重38㎏、血糖値137㎎/dL、血清ナトリウム136mEq/L

•35病日:標準の経腸栄養を1時間に25mLの低速から開始し、徐々に速度と量を増やす。

•45病日:1時間に速度100mL、1200kcal、糖質198g、水分1560mL(41mL/㎏)にて投与。血糖値459㎎/dL(基準値110㎎/dL以下)、血清ナトリウム161mEq/L(基準値137~150mEq/L)、追加水分600mL、フラッシング150mL、合計1710mL、尿量1,800mL、体温37℃。体重38㎏、浮腫なし


薬物の種類は
・1病日~:イーケプラ(抗てんかん薬)
 アレビアチン(抗痙攣薬:フェニトイン)
 酸化マグネシウム(緩下剤)
 メチコバール(ビタミンB12)
 メマリー(中枢神経系用薬)
 ニセルゴリン(循環器官用剤)



■経腸栄養投与後に血糖値、Na 上昇?
アセスメントの方法は、1に栄養の影響はないか、2に疾患の影響、3に薬物の副作用の手順で、根拠を考えながら考え方をかいてみましょう。

1)栄養の影響はないか
①エネルギー過剰はあるか?
②糖質量が増えたか?
③投与速度が速くなったか?
④ナトリウムの過剰はあるか?
⑤水分不足はあるか?

2)疾患の影響はないか
①糖尿病の既往があり、悪化したか?
②甲状腺機能亢進症はあるか?
③新たなストレスが加わったか?

3)薬物の影響はないか?


■栄養診断

■栄養計画は?


明日、私の考え方を書きます。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

2018年11月6日火曜日

11/6 穏やかな臨終のための、母の経腸栄養と水分

93歳で、亡くなる前の2か月間のことです。経鼻胃管で6か月経過していた母の臨終に向けた栄養と水分の実際を書いてみます。


■事前指定書発見後の家族の話し合い
脳梗塞で転倒し、6か月が経過した頃のこと。事前指定書が見つかりました。「食べられなかったら、延命を希望しない」と言う、母の意思を優先するとしても、決めるまでには、また時間がかかりました。何故って、嚥下はできないものの、人の言葉や好きだった音楽や踊り、抹茶を立てるなどに反応するようになっていたからです。それ以上にはなりません。このままの経鼻胃管でも、ややもすれば5-6年生きた人もいます。

決めないといけません。母の臨終の時期を!
確かに、経鼻胃管を続けるのは可哀そうです。では、経鼻胃管を抜くということは、栄養も水分も入りませんから、早々生命が途絶える覚悟が要ります。


今度は、生存している私たちが皆揃って母と別れる期間を決めないといけません。父の臨終の時は、前日も当日も私は遠くで、講演していました。親はもう1人だけです。最後は介護したいと思い、私の都合と妹・弟が丁度いい時期を調整しました。姉である私の都合を優先してもらったことで、私の中には、悔いがありません。



■栄養と水分の調整で考えたこと

①家族が揃う看取り時期を決める
経鼻胃管を外してからデイケアから在宅に移動させ、介護をすることにしました。問題は、その予定日通りに臨終が向買えられる施設での栄養管理です。特に水分量の調整です。退所時に急に、経腸栄養を抜去するのは、脱水で苦しむことになります。話し合っているうちに時間が経過し、家族が揃って在宅で介護するまでにの期間は、6週間になりました。


②苦しまずに穏やかに亡くなるための原則
基本は、栄養量を入れないように徐々に減らすことです。
栄養量が入らないと、人間の身体は自分の備蓄の脂肪やたんぱく質を壊してケトン体を生産します。ケトン体でも生きることができます。脳はぶどう糖がないと生きることができないと思われてきましたが、違います。臨終の時期までグルコース(糖)が入ると、その代謝に身体が働き続けますから、苦しむだけです。

臨終の時期はケトン体が麻酔薬の代わりをして、苦しまないですむこともわかっています。昔、在宅で看取ったような自然死が良いことになりますが、どのように減らしたら良いでしょうか?


③穏やかに亡くなるための栄養量とは?
経腸栄養量は、1200 kcalでしたから、栄養量と投与回数も併せて徐々に減らします。エネルギーは週単位で200-300kcalづつ減らし、家族が揃う6週後に退所し、看取れるように計画をして、医師に提案し、納得していただきました。

1週目は800 kcal、追加水分300mL、2回投与
2週目は600 kcal、追加水分200mL、2回投与
3週目は300 KcalとOS1 500ml、2回投与
4週目はOS1 500ml 、1回投与(食塩1.46g、50kcal)

医師曰く、「意識レベルが急に低下したときは経腸栄養を追加して調整しましょう」。父のときに提案が受け入れられなかった苦い思いがありましたが、何でも言える医師に出会えました。

6週目は経鼻胃管抜去し、帰宅。
体重は32㎏程度だった気がします。ここから、どれだけ生きられるのでしょうか?
 

③飲まず食わずで、人はどれだけ生きれるのでしょうか
一般的に、山で遭難し、飲まず食わずでいた場合の生命は、2週間が限度でしょうか。
母は、徐々にエネルギー、水分を減らしているので、身体が少ない量で順応しています。退所する前の2週間は、エネルギー50kcalのOS1を500mLのみ、退所後は水分無しで14日間生きました。

余命は最短1週間、最大2週間と思っていました。根拠は、徐々に栄養と水分を減らしたこと、心臓には問題がないこと、血圧が安定していたこと、退所した時の顔の色つやが、まだ良かったためです。


④水分のインバランスは、計算通りにならない
水分のインバランスを体重変化で試算します。
体重は、帰宅時32㎏、臨終のとき27㎏程度ですから、14日間で4㎏減りました。低栄養と脱水によるものです。

次に、水分のインアウトで試算してみます
臨終の3日前までの尿は、300mL程度出ていましたので、アウトは14日間で、11日×570mL=5700mL、無尿の3日間は不感蒸泄と代謝水の差270ml×3日=810ml、合計6510mlの脱水があったことになります。

一般的インアウト計算の矛盾の原因は?
体重減少は4㎏ですから、2500mlが矛盾です。
考えられるのは、呼吸数が減り、体表面積も減少しているので、不感蒸泄が減ったことと、自分の細胞を壊して生きるためのエネルギーを生産していたため、代謝水が減らないか増えたと推測すると、納得できます。

栄養量と水分を切ってからも穏やかな良い顔でした。浮腫もありません。栄養管理は成功です。



■家族の介護に併せた経腸栄養管理


母は、早く経鼻胃管を抜去して欲しかったかもしれません。姪からは「おばさんの都合でしょ?」と叱られました。父の介護も看取りも叶わなかったので、私の介護可能な日に合せて経腸栄養と水分を減らしました。
管理栄養士のスキルをフル回転した栄養管理計画です。これを家族に決めさせていただけた医師に、感謝しています。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

2018年11月5日月曜日

11/5 11月17・18日東京セミナー がんと栄養

臨床栄養実践協会主催、第6回東京セミナーのお知らせ。

現在の職場に関係なく、管理栄養士を生涯続けていくうえで役立つ内容です。栄養状態の悪化は余命に影響しますので、がんと栄養の関係、ガイドラインをどのように読むかなどの知識が必要です。がん患者の症例を演習もします。是非、ご参加ください。

日時: 2018年11月17日13時~18時、11月18日9時30分~14時30分

場所: 医科歯科大学(お茶の水)

参加費:
両日で会員は14000円、非会員20000円

内容: 
①「がんの病態別知識と栄養代謝」合併症、化学療法や薬物の副作用などを踏まえた栄養管理
②がん患者の症例検討
③入院中・退院(転院)に向けた食事・栄養指導の知識・技術を習得


■主な内容
①がんの検査に関すること
管理栄養士が知っておくべき、癌に関するマーカー及び画像検査の読み方を学びます。

②がん特有な栄養代謝
がん特有な栄養代謝をはじめ、部位により栄養素の必要量が異なります。血液がんと異なり、腫瘍のある癌では、グルコースを栄養源にがんが増殖すると言われています。また、必要栄養量が多くいる場合と少なくていいなど、がんにより補給栄養素も異なります。
栄養素の不足が、がんに与える影響が極めて大きく、余命にも関係します。

③がんの部位別にみた飲食への影響
がんの部位別にみると、消化吸収や嚥下への影響があるかどうかが重要なポイントです。咽頭・舌・食道がんなどでは、呑み込みができないことが多いので、食事だけの栄養補給は困難です。ですが、乳がんや子宮がんなどは、消化吸収などと直接関係しませんが、腫瘍のある癌ですと、栄養素の補給が普通の人と違います。胃がんは、全摘か亜全摘過で違います。術後の栄養状態を予測して、早めの対応が必要です。

④薬剤に関すること
抗がん剤投与時の栄養補給方法は、大変です。食欲不振から下痢、嘔吐などが生じます。薬物の副作用と投与時期を踏まえた栄養補給は、何時すればいいのでしょうか。また、薬剤で起こりうる微量元素との相互作用を知っておくことも大事です。

⑤終末期がん患者の輸液療法
終末期は、栄養量、水分入れるべきか、入れるならどれだけ?口渇感、せん妄に静脈栄養は役立つかなど、ガイドラインに添って話します。

⑥入院時の栄養補給方法、退院時の指導とは
合併症があるときの栄養補給には、優先順位をつけないといけません。口腔内や食道にがんがあるとき、下痢の頻度が多いときは、静脈栄養の併用です。繊維をとる人、少ない方が良い人、ビタミン、ミネラルの吸収が悪くなるがんなどを知って、補給あるいは指導しないといけません。

⑦症例検討
肺がん術後にアミロイド腎を診断され、食欲不振を生じた患者と他のがんの症例を栄養アセスメントから栄養診断、ケアプランの手順で個人で考え、グループで意見交換、発表に手順で演習します。他の人の意見も聞けて勉強になるとおもいます。


最後までお読み頂き、ありがとうございます。

2018年11月4日日曜日

10/4 回復期リハの病院食で貧血になる人、ならない人の違い?

管理栄養士さん向けの講演の後に、回復期リハ病棟の方に聞かれました。症例検討として対策まで導くように書いてみます。


■回復期リハ病棟の患者は貧血?
質問は、「食事を全量食べているのに入院患者のほとんどがヘモグロビン(Hb)が低いけど、原因は何でしょうか?」。ちなみに総タンパク(TP)やアルブミン(Alb)は、基準値内とのこと。


1)疾患、年齢の影響を考えてみます
①基礎疾患に貧血が生じる疾患があるか?
回復リハ病院の患者は、脳血管障害か骨折、高齢の伴うサルコペニアで、80%強が65歳以上の高齢者です。脳血管障害の基礎疾患に高血圧か糖尿病があるかもしれませんが、腎機能障害がなければ、基礎疾患による貧血は考えにくいと思います。


②手術による出血の影響があるか
手術いよる出血の影響を考えてみます。Hbの半減期が3か月と長いものの、急性期からは時間が経過し、数か月は経過しています。ですから、一部の人は改善していないことはあり得ますが、ほとんどの人が貧血であるのは考えられません。


③高齢であることが原因で貧血か
平成27年国民健康・栄養調査の貧血の治療薬を服用していない人を見ると、Hbが基準値より低い人は、65~74歳までの男性9%、女性13.6%、75歳以上では男性28.6%、女性24.6%です。病院などでの貧血基準はHb10g/dⅬ以下です。その対象になるのは、65歳以上も、75歳以上も数%と僅かです。

つまり、高齢であることが原因のHb低値は65歳以上では、19%以下ということになります。かなりの人が低値というのは、年齢によるものではありません。


2)栄養による影響を考えてみます。
①エネルギー不足はないか



エネルギー不足の評価は、浮腫の無い体重でします。BMI25以下の人を2か所の調査で比較してみます。


回復リハ病棟協会では、65歳以上の入院時83.5%が退院時86.3%と僅かですが増加。平成27年の国民栄養調査では、70歳以上と5歳上からを見ていますが76.2%と、回復期リハ病院のより、少ないことが分かります。


つまり、高齢者は入院すると、痩せた人がより痩せて退院しているということです。これは、入院時すでに低体重である人が多いことから、急性期病院ですでに減ったと思われます。

結論は、エネルギー不足です。肥満者以外は、急性期病院に入院したときの体重に戻すことを目標にすべきです。




②たんぱく質はリハに見合う量が提供されているか
病院は、年齢、性別の加重平均必要量から、入院患者さんに提供するエネルギーとたんぱく質を決めます。リハビリ病院だから多くするということは、医療監査の際に叱られます。とんでもない仕組みで食事は提供されているのです。

たんぱく質は、病院食が女性50g、男性60g、平均の55~60gですが、フレイル予防に必要なたんぱく質は75gです。すでにサルコペニアに至った人、1日3時間もリハビリをする人、しかも高齢者は、もっと要ります。

結論は、不足です。


③病院食の鉄分量は不足していないか
病院食の実態は、医療監査で厳しく評価されるエネルギー、たんぱく質、食塩までの栄養素量の確認はします。ですが一般には、ビタミン、鉄分、亜鉛、食物繊維などの栄養素が充足されているかは見ていません。

次に献立の食材は、鉄分の多い種類が使われているか考えてみます。
肉は、鉄分の少ない鶏肉が大半で、牛肉や豚肉は少ない。魚は白身魚、鮭などが多く、鉄分の多い血合いの多いサンマや、サバ、イワシ、カツオ、ウナギなどはあまり使いません。野菜は、緑黄色野菜とは言え、カボチャ、にんじんが多く、鉄分の多い青菜が少ない、ビタミンⅭの多い果物は50kcalもでません。


結論は、鉄分と、その吸収を助けるビタミンⅭが不足の可能性が高いことになります。


3)薬物の副作用はあるか?
頻度はあまり高くないものの、抗生物質、解熱消炎鎮痛薬、消化性潰瘍治療薬はじめ多くの医薬品で、副作用として貧血を起こすことがあります。ですが、ほとんどの人に貧血になるような薬物が処方されているって、考えにくいので、否定します。



■鉄分不足にならなかった人の違い
回復期リハ病棟で、低栄養も貧血も起こさなかった人に出会いました。硬膜下血腫で3か月近いリハビリをした管理栄養士の方です。
聞いてみると、経腸栄養をはじめ栄養補助食品などを購入して、1日80gのたんぱく質を補給したそうです。経腸栄養剤には、たんぱく質だけでなく、ビタミンから鉄を含みますし、たんぱく質と同時に鉄分が強化されたものも買われたようです。

「管理栄養士でよかった。主治医が驚いておられました」と、宴席で話してくださいました。
病院食の基本献立には、たんぱく質増が難しいので、補助食品で補給し、鉄分は、可能なら素材を変更して調整します。それが難しいときは、経腸栄養をはじめ栄養補助食品。それも困難な場合は、患者さんに購入を勧めるしかありません。



最後まで読んで頂き、ありがとうございます。