2019年2月20日水曜日

2/20 学会で複数回聞いた用語 

JSPENで、主にがんとサルコペニアのシンポジウムで、複数回聞いた用語です。今一度調べて書いてみます。


🔳学会でよく出てきた用語
説明文は、学会の演者とは無関係です。

1.CAWLとCIWLの違い
CAWL(Cancer-Associated Weight Loss)は、がんに伴う体重減少「がん関連体重減少」。原因は、消化管の狭窄・閉塞、治療による食欲不振、精神的ストレスなどによる摂食不良のため、十分な栄養補給を行えば、改善が可能だと言います。

CIWL(cancer-induced weight loss)は、「がん誘発性体重減少」で、がん細胞が分泌する炎症性サイトカインやホルモンによる代謝異常です。癌研有明病院緩和ケア部長の向山武人先生は、通常の栄養管理では体重の改善・維持は難しいと、指摘されています。

2.サイトカインと炎症性サイトカインの違い
サイトカインは免疫細胞間の制御を仲介する液性因子として発見されたました。インターロイキン(IL6)、IL1、腫瘍壊死因子(TNF)αなどは、炎症反応を誘発することから、炎症性サイトカインと呼ばれます。
1と2の参照
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/search/cancer/cr/201002/513965.html


3.カヘキシアとカヘキシーの違い
カヘキシアは、がんや慢性疾患などの消耗性疾患が原となり、食欲不振と代謝調節機構の障害による重度の骨格筋の萎縮、臓器の機能不全の病態を示し、悪液質と同義語です。
参照:実験医学 2014年6月号 Vol.32 No.9

カヘキシーは、ギリシャ語で「悪い状態」を意味し、炎症の亢進、インスリン抵抗性、蛋白異化の亢進など多くの因子を包括した概念です。がんだけではなく心不全、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などでも認められます
参照:Evans WJ et al:Cachexia: a new definition. Clin Nutr 2008; 27: 793-799.


4.CONUT
CONUT(Controlling Nutrition Status)は、2003 年の ESPEN(欧州静脈経腸栄養学会)で発表された栄養評価法です。アルブミン(ALB)、 総コレステロール(T-cho)、リンパ球数(TLC)の値をスコア化し、栄養レベルを正常、軽度、中等度、高度の4段階で評価します。

私見ですが、炎症によって、低値となるアルブミンを指標にしても、あまり意味をなさないことが問題です。


5.SMIとALM
SMI(Skeletal Muscle Mass Index:骨格筋量指数) は、四肢の筋肉量を合計 (ALM)し、身長の2乗で除した値(kg/㎡) を骨格筋量指数としたもの。

筋肉量の測定は、一般的に二重エネルギーX線吸収測定法(DXA)や生体インピーダンス解析(BIA)法を 使用します。BIAは、体内に微弱な電流を流し、水分量や体脂肪、筋肉量を間接的に求める方法で、家庭用の体脂肪計からジムや医療で使用する体組成計があります。無い場合は、SMI推定式を使います。


6.SMI推定式
男性:SMI(kg/m2)=0.326×BMI-0.047×腹囲(cm)-0.011×年齢(歳)+5.135
女性:SMI(kg/m2)=0.156×BMI-0.044×握力(kg)-0.010×腹囲(cm)+2.747
他にもあるようです。
参照
真田樹義 他:体力科学 Vol.59(2010),3, 291-302.


7.EWGSOP
EWGSOP(European Working Group on Sarcopenia in Older People )によるサルコ ペニア定義が世界的にもよく使用されています。骨格筋量の低下を必須とし,他に筋力低下か身体能力の低下がある場合にサルコ ペニアと診断します。

アジア人に特化したAWGS(Asian Working Group for Sarcopenia)も提唱されています。

筋肉量の減少は、40歳を過ぎたころから年約 0.5%、65 歳以降は劇的に減少、80歳頃までに30~40%を喪失するようです。
参照:Leeuwenburgh C: J Gerontol 58(11) 999-1001(2003)

5と7の参照文献
日本老年医学会雑誌 52巻4号(2015:10)



6.アパシー(apathy)
各百科辞典をまとめると、アパシーとは、広く政治上の問題や政治的活動一般に対する無関心な態度、感情が動かない、関心・興味・意欲がわかず、無気力・無関心な状態・症状のこと

使われ方は、うつ病の部分症状や認知機能障害など様々。アルツハイマー病、パーキンソン病、脳卒中後患者など脳器質疾患患者で多い症状のため、高頻度で使われています。

 
7.ピンチ力と握力の違い
握力とは、人が物を握るときの手の力のことで、ピンチ力(ぴんちりょく)は、物を摘まむ力のことで、握力として測定される一部のことです。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

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