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2019年2月21日木曜日

2/21 薬物の副作用なら栄養での修正は無理?

患者情報が極めて少ないなかで、問題の症状が栄養によるか否かまでの判断ならできます。皮膚全体に表皮が離れ、5年も続いている人の症例です。一緒に考えてみましょう。


🔳5年前から皮膚が剝れてきた80歳
80歳男性の症例です。
脳梗塞で入院。5年前に前立腺がんにて他院に入院した際に皮膚がかさつき、表皮がポロポロとはがれるようになり、水ぶくれ、上肢と下肢から腹部や背部にまで広がり、足首が一番ひどいとのこと。同病院の皮膚科に3年通院したものの変化はなく、診断は前立腺がんの治療の副作用とのこと。

下肢の皮膚写真は、るい痩でした。
既往に糖尿病があり、血糖値230㎎/dL前後で推移。
薬物:2病日よりヒルドイドソフト軟膏が処方。
食事:1600kcal/日。

質問:皮膚症状に対して栄養の部分は、どこに気を付けてフォローすればよろしいですか?。何か補助食品をつけたいと思うのですが。


🔳何が問題か推測すると!
Q)抗がん剤の副作用でしょうか
皮膚疾患に関しては、5年前からですから薬物の可能性がありますが、前立腺がんに伴う薬物を5年も継続するのは、あり得ますでしょうか?

5年間生存し、普通に食事が食べれる人ですから、抗がん剤を5年間使い続けることは、通常聞いたことがありません。聞いたことがある人はおられますでしょうか?


Q)薬物の副作用の可能性はあるでしょうか
抗がん剤の副作用以外で、5年前から現在まで服用している薬物を調べてもらうことです。その可能性が高いと思いますが、厚労省が湿疹の出現に注意を促している抗生物質、鎮痛剤は、5年間継続して服用しているとは考えにくくないでしょうか?。また、抗てんかん薬、パーキンソン薬は、該当する診断名がありませんので、否定されます。

では、他の薬物です。
5年も使い続ける薬物の1つが、PPI(プロトンポンプ阻害薬)です。PPIはH2ブロッカーよりも胃酸抑制効果が高く、薬疹の副作用もあります。高齢者に必要以上に使用すると、胃酸が減りすぎて、殺菌力が低下して胃の中で細菌が繁殖しやすいとも言います。

他は、厚労省の重篤副作用全身症状を伴う薬剤過敏症症候群にある高尿酸血症治療剤ザイロリック1)です。血清尿酸値の上昇とともに悪性腫瘍による死亡が増加することが示唆されているとの報告もあり2)、この薬物の服用の可能性も否定できません。

入院前から処方されていた薬物が怪しくないでしょうか?
参照
1)厚労省の医薬品安全性情報No.290より
2)高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版


Q)糖尿病の悪化による皮膚症状はあるでしょうか
血糖値230㎎/dL前後では、皮膚症状につながるような悪化は考えられません。しかも、糖尿病神経障害は、手足に痛みやしびれなどが現れますが、全身の皮膚が剝れるようなことはありません。痛みがないので、症状が違います。


Q)栄養、食事によりできることは、あるでしょうか?
皮膚写真では、るい痩で筋肉はなさそうです。脳梗塞でも食事がとれていて、回復の見込みがあるなら、体重を増やすことです。重篤な腎疾患がなければ、たんぱく質と脂質を増やして、他の病気にならないようにすることも大事です。

亜鉛欠乏による皮膚症状などあったとしても、食事を食べていることと5年間欠乏状態にあるのは、長すぎですから、栄養障害によるとは思えません。味覚異常はありませんので、亜鉛欠乏はありません。

①1600Kcal、たんぱく質60g?程度は、体重を増やすには不足です。
温泉卵の追加、サプリメントなら、エネルギー、たんぱく質がとれる経腸栄養的なものがいいですね。

糖尿病に対しては、オイル、たんぱく質、繊維を増やし、炭水化物後食べ(おかず先食べ)を指導します。
献立を変えるのが難しい場合は、おかずから先、炭水化物は後に食べる、順番だけの指導でもした方が良いと思います。エネルギー制限はダメです。

③ 皮膚疾患は、薬物の副作用としたら、どんな栄養素を補給しても効果はありません。薬物の検討が優先です。オイルやビタミンE、たんぱく質が少ないと皮膚を修復できません。免疫能が低下している可能性もあるので、EPAや腸内環境を整える乳酸菌などはマイナスにはならないと思います。

ですが、5年間も続く重篤な皮膚症状を改善するほどの効果はないと思います。


どうしたら良いでしょうか?。
管理栄養士の領域ではありませんが、気の毒です。まず、医師には栄養の影響でないことを報告します。薬物は、減量、変更が可能か、薬剤師さんから聞いてもらうのが良いかも知れません。


最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

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