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2019年2月7日木曜日

2/7 糖尿病患者のエネルギー指示への疑問と矛盾?

糖尿病診療ガイドライン2019が策定されるにあたり、2018年、日本糖尿病学会が主催した食事のシンポジウムの内容から、考えてみました。


■エネルギー設定に対する疑問と議論
以下は、2018年日本糖尿病学会が主催した食事シンポジウムの内容です。

①エネルギー必要量には個人差が著しい
②患者の死亡率が低いBMIは20~25kg/㎡75歳以上のBMIは25kg/㎡以上である
③エネルギー設定の基準を標準体重にしたことに根拠がない
肥満者ほどエネルギー設定が乖離
⑤糖尿病患者のエネルギー必要量は健康な人と差がないか、5~6%程度高めである。
国際的には実体重当たりで表記されている。
⑦日本人の糖尿病患者はBMI 24kg/㎡前後の患者が多く、体重管理のためのエネルギー処方は不要
⑧脂質・たんぱく質摂取によるインクレチン分泌を利用できないため、カロリー制限は血糖管理には向かない


以下からは、私見です。
■医師の指示は体重目標量のみでOK?
エネルギー設定が難しいのですから、栄養量の指示なしではダメでしょうか?。入院・入居など給食を提供する施設以外、つまり社会生活をしている人は、体重を減らすか増やすべきかだけで十分です。

①摂取エネルギーの正確な把握は困難
そもそも、摂取エネルギーの把握は、正確には困難です。それを無視して一律に指示しても、社会生活をしている人達は、守れません。さらに、総菜や冷凍品が多い中、管理栄養士ですら計算が難しいのです。ですから、エネルギーを指示した通りに食事をするなどとてもできません。


②体重を減らす必要があれば「エネルギーを減らす」の指示
肥満の定義も望ましい体重も年齢や疾患により異なりますから、医師の指示は、体重をどのくらいに減らすかだけでいいのではないでしょうか。

どのくらい摂取していても、現在より300kcal程減らせば、月1㎏は減ります。これなら、現在食べている食事内容から減らせそうなものを把握して、本人ができることを実行すれば良いだけです。「ご飯を今の30%減らす。あるいは1日200g減らす」などで、できます。

もちろん、これに運動を加えた場合、その消費エネルギーを正確に把握することなどできませんので、大雑把には体重で評価するのが現実的です。筋肉量のことは後です。まず、シンプルなことで誰もができる方法が大事です。


③体重を増やす必要があれば「エネルギーを増やす」の指示
糖尿病患者の指示栄養量では、体重を増やすか減らすかを考えた指示をもらったことがありません
体重が少なすぎるかどうかは、健常時、体調が良かった時の体重を把握しないとわかりません。私が知る限りの医師は、聞くことが無いか、あったとしても25-30Kcal/kg/標準体重、又は女性は1400kcal、男性1600Kcalでした。それが、2019年の日本糖尿病学会のガイドラインで大幅に変わろうと噂されています。

患者のエネルギーが分からないのですから、体重増が必要な人には、不確かなエネルギー量を決めていただくより「エネルギーを増やす」と指示してもらえらば、管理栄養士は力を発揮します。今より増やす指導の方が患者さんに受け入れやすいと思います。


現在の訪問栄養指導の指示栄養量の現状
高齢者の糖尿病患者に対してエネルギーが1400Kcalなど指示されます。それが適正であるかどうかではなく、訪問栄養指導の書類の様式には、遵守の程度を書く欄があります。つまり、体重が減ったか、元々少ないからそのエネルギーの指示が不適切であるかを提言できるだけの人が少ないのが現状です。

体重増が必要な人なのに「指示量より30-40%多い」と書くことに、悩む人もいます。結論は、不確かな指示栄養量は不要で、「エネルギーは体重を増やす」で十分です。


指示エネルギー量が要る場合
エネルギーの指示は、不確かでも数量で指示することが求められるのが、給食で提供する栄養量です。

入院時は、不確かなままのエネルギー指示で良いので、まず一般健常者と同じ量で十分。それに加え「体重を減らすか増やすべきか」と「糖尿病食」程度の指示をもらえば大丈夫。

3日後、あるいは1週間後には、摂取エネルギー量と体重の増減を併せて、管理栄養士がエネルギー量を補正することです。その後退院時まで同じことを繰返して、修正していけば、必要量に近づきます。

現在の糖尿病教育入院では、痩せる必要がない人の体重を減らし、血糖値も下がりません。



最後まで読んで頂き、ありがとうございます。



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