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2019年2月8日金曜日

2/8 BMI33の高齢者は痩せるべきか?

高齢者施設にお勤めの管理栄養士さんから、入居中の人のエネルギーについて質問されましたので考えてみました。


■以下の症例を一緒に考えてみましょう
管理栄養士:「90歳の入居者でBMIが33の女性が居ますが、カロリーを減らすべきでしょうか。施設の食事の他に家族が飴や菓子を持ってきて食べさせているんです」
:「入居したときは、どの位でした?」
管理栄養士:「6か月前に入居したときは、BMIが30でした」
:「薬は飲んでいるんですか」
管理栄養士:「降圧薬の他、たくさん飲んでいますね」

:「体重が多いと困ることはあるんですか」
管理栄養士:「寝たきりではないけど、動かすのに重いことでしょうか」


■検討すべきこと
1)栄養摂取量が過剰か
①BMI30が33は、体重にするとどの位増えた?
増えた体重を推測すると、身長140㎝の小柄の場合、入居時に58.8kgが64.7㎏、5.9㎏増加したことになります。

②摂取量はどの位?
施設の食事は、1200Kcal程度。これに間食の飴や菓子を加えても、多くて毎日400Kcal、飴程度の日があることを考えると200Kcalです。1400~1600Kcalです。これで、6カ月で5.9kgも増えるでしょうか。

③推定エネルギー必要量はどの位?
食事摂取基準2015に示されている、49.5kgを維持することを仮定した70歳以上の推定エネルギー必要量は1500Kcal。それより8.8kg多かったとすると、8.8×30kcal=264kcalを加え1764Kcal。簡便計算では58.8㎏×30Kcal=1764Kcalです。このあてにならない推測計算では、偶然同じ1764Kcalです。

④6か月で体重6㎏増やすための推定エネルギー必要量?
6か月で体重6㎏増やすには、身長140㎝の場合、1日当たり6㎏×7000Kcal÷182日=230Kcal増やさないと増えません。つまり、少なくとも1764+230=1994Kcal必要なことが推測されます。

⑤結論として、エネルギー過剰で体重が増えたか?
施設の食事と間食を併せても、1400-1600Kcalです。約2000Kcal以上を毎日食べ続けていないと、体重は増えません。エネルギー摂取過剰の影響は、否定されます。間食を減らす必要もありません。


2)疾患の影響か
まず、病名に浮腫が生じる疾患名があるかの確認が先です。
①心不全による浮腫はあるか?
6㎏も増えるような心不全であれば、呼吸苦があり、これだけの食事はとれませんから、否定されます。

②腎不全による浮腫はあるか?
腎不全の可能性もありません。施設の食事はたんぱく質50g程度ですから、自宅にいた時より多くなったとは考えにくいのです。

腎不全による浮腫が6㎏分あるとしたら、腎機能障害も末期に近い状態です。尿素窒素(BUN)が増え、尿毒症から食欲が低下が生じやすいのに、食欲は旺盛ですから、考えられません。

③甲状腺機能低下症による浮腫はあるか
甲状腺機能低下症は、そもそも食欲がないにも拘らず、体重が増えるのが特徴です。間食まで食べ、食欲旺盛ですから、否定できます。


3)薬物の影響か
栄養摂取量の過剰、疾患の影響が否定されれば、薬物の副作用によることが推測できます。まずは、これらを根拠をもって説明してから、主治医に相談することです。

体重は入居時のBMI30で元気に生きてきた人なら、今更減らす必要はないと思います。



最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

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